
セリフ #6 – 自分自身と向き合うための理由
なあ、ずっと気になっていたんだが旅に誘ってくれた時もそうだが、なんで俺なんかにこんなに構ってくれるんだやっぱり同族嫌悪かな冒険に出ようとしないザインが、魔王討伐に旅立つ前の私とよく似ていて、頭に来た
Hey, I’ve been thinking about something.
Why do you trouble yourself with the likes of me? I still don’t know why you invited me to travel with you.
Must be my aversion to my own kind.
The way you refused to go on an adventure? It reminded me of myself before I left to defeat the Demon King. That angered me.
🗣️ 語彙解説
trouble /ˈtrʌbəl/(動詞):手間をかける、困らせる
→ 「わざわざ面倒を見る」「世話を焼く」といったニュアンスがあります。
the likes of /ðə laɪks əv/(句):〜のような者
→ 軽んじた言い方で「〜ごとき」「〜なんか」と自分を卑下して言う時に使われます。
aversion /əˈvɜːʃən/(名詞):嫌悪、反感
→ 強い嫌悪感を表すフォーマルな単語で、「生理的に無理」といった場面にも使えます。
remind /rɪˈmaɪnd/(動詞):思い出させる、似ていると感じさせる
→ 「〜を思い出すきっかけになる」「〜に似ていると感じる」ときに使います。
refuse /rɪˈfjuːz/(動詞):拒む、拒否する
→ 提案や誘いなどをきっぱり「断る」時の言い方で、やや強めの表現です。
defeat /dɪˈfiːt/(動詞):打ち負かす、敗北させる
→ 敵や相手を「倒す」「やっつける」といった意味でよく使われます。
📘 文法・構文・訳しにくい点の解説
Why do you trouble yourself with the likes of me?
「the likes of me」は「俺なんか」という卑下的な言い方で、「なぜ構うのか?」という疑問。
Must be my aversion to my own kind.
「must be ~」は話し手の推測。「同族嫌悪」だという皮肉めいた自己分析。
The way you refused to go on an adventure?
「the way+文」で「〜する様子・態度」を表し、「あなたの態度が〜に似ていた」という意味へ続く。
It reminded me of myself before I left to defeat the Demon King.
「remind A of B」で「AにBを思い出させる」、自分の過去と重ねている構文。
That angered me.
シンプルな過去形で「それが私を怒らせた」、動機をストレートに述べる短文。
📗 スラッシュリーディング訳
Hey, /
なあ
I’ve been thinking about something.
ずっと気になっていたことがあるんだ
Why do you trouble yourself /
どうしてそんなに手間をかけてくれるんだ
with the likes of me? /
俺なんかにさ
I still don’t know /
未だに分からない
why you invited me /
なぜ旅に誘ってくれたのか
to travel with you.
一緒に旅しようって
Must be /
たぶん
my aversion /
嫌悪感なんだろうな
to my own kind.
自分と似たタイプに対する
The way you refused /
お前が旅に出ようとしなかったその様子が
to go on an adventure?
まるで昔の私みたいでさ
It reminded me of myself /
私は自分を思い出したんだ
before I left /
出発する前の
to defeat the Demon King.
魔王を倒しに行くその時の
That angered me.
それが腹立たしかったんだ
セリフ #7 – 聖典の力は鍋敷きにもなる?
魔法で病気の判別をすれば対応する薬草がわかるでも病気の判別って女神様の魔法だろ?確か聖典の所持者しか使えないって話じゃ私だって聖典くらい持っているよえ?
Magic will help identify her ailment, and this book will help find the cure.
I thought identifying sicknesses was the magic of the Goddess.
Before, you said only someone with a holy scripture could cast it.
That’s exactly why I keep a scripture on hand.
What?
🗣️ 語彙解説
ailment /ˈeɪlmənt/(名詞):病気、疾患
→ 日常的・軽度の病気に使われる表現で、「体調不良」とも訳されます。
identify /aɪˈdɛntɪˌfaɪ/(動詞):特定する、見分ける
→ 病気や人物などを「突き止める」時に使う語。
scripture /ˈskrɪptʃər/(名詞):聖典、宗教的経典
→ 宗教上の重要文書で、ここでは女神の魔法に必要なアイテムとして登場。
on hand /ɒn hænd/(句):手元にある、常備している
→ すぐ使えるように「手元に置いておく」ことを意味します。
cast /kæst/(動詞):(呪文などを)唱える、発動する
→ 魔法などを「使う」「かける」ときに使う語。
📘 文法・構文・訳しにくい点の解説
Magic will help identify her ailment, and this book will help find the cure.
2つの助動詞 “will help” の並列構文。「魔法が判別を助け、本が治療法を導く」構成。
identifying sicknesses was the magic of the Goddess.
「the magic of the Goddess」で「女神の魔法」。ここでの “identifying” は動名詞扱い。
only someone with a holy scripture could cast it.
仮定法に近い “could cast”。「聖典を持つ者だけが使えるはず」という制限表現。
That’s exactly why I keep a scripture on hand.
“That’s exactly why” は強調構文。「だからこそ〜している」の意味で論理が通る。
What?
一言のみの驚き。前のセリフの衝撃を受けた反応として使われている。
📗 スラッシュリーディング訳
Magic will help /
魔法を使えば
identify her ailment, /
彼女の病気を判別できる
and this book will help /
そしてこの本が助けてくれる
find the cure.
薬草を見つけるのに
I thought /
思ってたんだけど
identifying sicknesses /
病気の判別って
was the magic /
魔法だよね
of the Goddess.
女神様の
Before, /
前に
you said /
君が言ってたよね
only someone /
〜だけしか
with a holy scripture /
聖典を持っている人じゃないと
could cast it.
その魔法は使えないって
That’s exactly why /
だからこそ
I keep /
私は持ち歩いてる
a scripture on hand.
聖典を手元にね
What?
えっ?
セリフ #8 – フェルンの手を握る理由
ここに来たからずっと手を握っているな辛そうだからね、フェルンは風邪をひいた時、手を握ってあげると安心するんだよ小さい頃からそうなんだ
You haven’t let go of her hand once since we got here.
Because she seems to be in pain. When Fern is under the weather, nothing makes her feel better than holding her hand.
She’s been that way since she was little.
🗣️ 語彙解説
let go /lɛt ɡoʊ/(句動詞):手を離す、手放す
→ 「誰かの手を握っていたのを放す」時などに使われます。
under the weather /ˈʌndər ðə ˈwɛðər/(イディオム):体調が悪い
→ 軽い病気や風邪気味の状態を指す表現で、日常会話でよく使われます。
seem /siːm/(動詞):〜のように見える、思える
→ 主観的な印象や見た目を表すときに用います。
feel better /fiːl ˈbɛtər/(句):気分が良くなる、体調が良くなる
→ 体や心が回復している状態を指すフレーズです。
since /sɪns/(接続詞):〜以来、〜からずっと
→ 時の起点を示す語で、「過去から現在まで」を表す文に使われます。
📘 文法・構文・訳しにくい点の解説
You haven’t let go of her hand once since we got here.
現在完了形+”since” で「ここに来てからずっと〜していない」ことを示す構文。
Because she seems to be in pain.
“seems to be” は「〜のように見える」という婉曲表現。状態を柔らかく表現する。
When Fern is under the weather, nothing makes her feel better than holding her hand.
比較構文 “nothing … than …” で「〜ほど○○なものはない」の意味。
She’s been that way since she was little.
“She’s been” は現在完了形。”that way” が前文の内容(手を握って安心)を指す。
📗 スラッシュリーディング訳
You haven’t let go /
君は手を離していない
of her hand /
彼女の手を
once /
一度も
since we got here.
ここに来てからずっと
Because she seems /
だって彼女は〜のようだから
to be in pain. /
辛そうに見えるからね
When Fern is /
フェルンが〜の時は
under the weather, /
体調が悪い時は
nothing makes her feel better /
一番安心できるのは
than holding her hand.
手を握ることなんだ
She’s been that way /
彼女はずっとそうなんだ
since she was little.
小さい頃から
セリフ #9 – 支え方がわからない私
フェルンがつらそうだったから手を握っただけ私はあれしか苦痛を和らげてあげる方法を知らないから私はどうすればよかったんだろうねだったらもう、やりたいようにやるしかないんじゃないか少なくとも師匠はそうしていたぜ
I simply held her hand because it looked like she was hurting.
All these years, and that’s only way I know to relieve her pain.
What do you suppose I should’ve done to help instead?
I think you have to go with your gut when it comes to things like that.
At least, that’s what my master always did.
🗣️ 語彙解説
simply /ˈsɪmpli/(副詞):ただ〜しただけで
→ 「単純に」「特別な理由はなく」といった意味で使われます。
relieve /rɪˈliːv/(動詞):和らげる、軽減する
→ 痛みやストレスなどを「軽くする」ことを表します。
suppose /səˈpoʊz/(動詞):〜だと思う、〜すべきだと思う
→ 推量や提案をやわらかく表すときに使われる語です。
go with your gut /ɡoʊ wɪð jʊər ɡʌt/(イディオム):直感に従う
→ 「gut(内臓)」は比喩的に「直感」を意味し、「迷ったときは自分の感覚に頼る」ことを示します。
master /ˈmæstər/(名詞):師匠、熟練者
→ 特に技術や戦闘を教える「師匠」的存在を表します。
📘 文法・構文・訳しにくい点の解説
I simply held her hand because it looked like she was hurting.
“looked like she was hurting” は「〜のように見えた」という婉曲表現。感情や状態を客観的に述べる構文。
All these years, and that’s only way I know to relieve her pain.
“And that’s only way I know” の “only way” は「唯一の方法」。現在完了とセットで「今でもそれしか知らない」のニュアンス。
What do you suppose I should’ve done to help instead?
“should’ve done” は “should have done” の短縮形で「〜すべきだった」という後悔・反省の表現。
go with your gut
イディオムで、「迷ったら直感で行け」という意味。会話でよく使われる表現。
At least, that’s what my master always did.
“That’s what 〜 did” は「〜がしたことだ」=「そうしていた」と強調する構文。”at least” は「少なくとも」と譲歩的な表現。
📗 スラッシュリーディング訳
I simply held her hand /
私はただ彼女の手を握っただけ
because it looked like /
なぜなら〜のように見えたから
she was hurting.
彼女がつらそうにしている
All these years, /
長い年月がたっても
and that’s only way /
それでも唯一の方法なんだ
I know to relieve her pain.
彼女の痛みを和らげるための
What do you suppose /
どう思う?
I should’ve done /
私は何をすべきだった?
to help instead?
代わりに彼女を助けるために
I think you have to go with your gut /
自分の直感に従うしかないと思うよ
when it comes to things like that.
そういうことに関してはね
At least, /
少なくとも
that’s what my master always did.
師匠はいつもそうしていた
セリフ #10 – 甘えは見せたくない
多分フェルンが恥ずかしがっていたのは、俺がいたからだ甘えている姿なんて人に見られたくなんかないよなありがとうね、シュタルクやりたいようにやってみるよ
Fern was only embarrassed because I was there. So don’t feel bad.
Of course she didn’t want me to see. It could risk her whole tough girl facade.
Thanks for your insight, Stark.
I’ll “go with my gut,” as you say.
🗣️ 語彙解説
embarrassed /ɪmˈbærəst/(形容詞):恥ずかしい、気まずい
→ 恥や気まずさを感じて「いたたまれない」ような気持ちを表します。
tough girl /tʌf ɡɜːrl/(名詞句):気丈な女の子、強がる女子
→ 弱みを見せない「しっかり者の女の子」というイメージを含みます。
facade /fəˈsɑːd/(名詞):見せかけ、外見
→ 内心を隠した「外側の印象」や「仮面」を表します。
insight /ˈɪnˌsaɪt/(名詞):洞察、理解
→ 相手の気持ちや状況への深い理解力を示す語です。
go with one’s gut /ɡoʊ wɪð wʌnz ɡʌt/(イディオム):直感で行動する
→ 「gut=内臓」は直感を意味し、理屈より感覚を信じて行動すること。
📘 文法・構文・訳しにくい点の解説
Fern was only embarrassed because I was there.
“only because I was there” は「自分がいたせいで」という理由を強調する構文。
It could risk her whole tough girl facade.
“risk her facade” は「その外面を台無しにする恐れがある」という意味。”tough girl” はイメージ的な表現。
Thanks for your insight, Stark.
“insight” は「気づき、理解」という意味で、シュタルクの観察に対する丁寧な感謝表現。
I’ll ‘go with my gut,’ as you say.
“as you say” は「あなたの言った通りに」という意味で、先ほどの助言を受け入れていることを示す。
📗 スラッシュリーディング訳
Fern was only embarrassed /
フェルンが恥ずかしがっていたのは
because I was there. /
俺がそこにいたからだ
So don’t feel bad. /
だから気にするな
Of course she didn’t want me to see. /
そりゃ俺には見られたくないさ
It could risk /
壊しかねない
her whole tough girl facade. /
彼女の強がる「しっかり者の仮面」を
Thanks for your insight, Stark. /
ありがとう、シュタルク。君の洞察はありがたいよ
I’ll “go with my gut,” /
俺も「直感でいく」よ
as you say.
君の言うように
まとめ:迷いと共に歩む、冬の足跡
Sein is torn between loyalty to his journey /
ザインは旅の目的と仲間の間で揺れていた、
and the bond he shares with Frieren and the others. /
フリーレンたちとの絆が、彼を引き止める。
As a fierce snowstorm halts their travels, /
激しい寒波が旅路を遮り、
the group shelters in a quiet village cabin. /
一行は小さな集落の小屋で足止めされる。
Old memories resurface, /
かつての思い出がよみがえり、
while new tensions arise between Fern and Stark. /
フェルンとシュタルクの間には新たなすれ違いも。
Through awkward apologies and quiet support, /
ぎこちない謝罪と静かな支えを通して、
they each discover how to care in their own way. /
それぞれが「支える」形を見つけていく。
Sein, reminded of the joy of companionship, /
仲間と過ごす楽しさを思い出したザインは、
chooses to follow his heart and part ways. /
心に従い、一行を離れる決断をする。
His friends, though sad, /
仲間たちは寂しさを感じながらも、
honor his choice and press forward toward Auberst. /
彼の選択を尊重し、魔法都市オイサーストを目指して進み出す。
🌟 Waku Waku Word Dive
blizzard /ˈblɪzərd/(名詞):猛吹雪
→ 強風を伴う激しい雪嵐。北方地域の過酷な自然現象を表す。
loyalty /ˈlɔɪəlti/(名詞):忠誠、誠実さ
→ 誰かや何かに対して誠実であり続ける姿勢。仲間や使命への献身を指す。
companion /kəmˈpænjən/(名詞):仲間、同行者
→ 共に旅する相手。友情や絆を示す言葉。
facade /fəˈsɑːd/(名詞):外見、見せかけ
→ 実際とは異なる印象を与える外側の姿。「強がり」などにも使われる。
herb /hɝːb/(名詞):薬草、ハーブ
→ 治療や料理に用いられる植物。魔法や自然療法の文脈で登場。
remedy /ˈrɛmədi/(名詞):治療法、回復手段
→ 病気や不調を癒すための方法や薬。自然療法や魔法の場面で使われることも多い。