【葬送のフリーレン 1期 7話(2)】アニメのセリフで英語学習:「言葉の魔力」とは?

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※本記事で使用している画像はすべて、アニメ『葬送のフリーレン』(第7話)より引用しています。セリフの英語学習および解説を目的としており、著作権はすべて©アベツカサ・山田鐘人/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会に帰属します。
  1. 💬 セリフ #6 – 言葉の裏にある「本性」
      1. 私たちを憎んでいるこの街の住民でさえ、私を見るときは、怯えながらも人を見る目をしている。だが、君のその目はまるで、猛獣でも見ているかのような目だ。実際にそうでしょ。お前たち魔族は人の声真似をするだけの、言葉の通じない猛獣だ。
  2. 💬 セリフ #7 – 話し合いは、通じる相手にしか意味がない
      1. 話し合いで解決するならそれに越したことはねえじゃねえか。解決しないから無駄なんだよ。魔族は人喰いの化け物だ。そいつらが人類と同じ言葉を使う理由を考えたことはある?
  3. 💬 セリフ #8 – 「お母さん」という言葉の魔法
      1. お前たちは孤独を当たり前とする生物で、家族という概念すら存在しない。なのに、何でお母さんなんて言葉を使う?だって、殺せなくなるでしょ。まるで魔法のような、素敵な言葉。
  4. 💬 セリフ #9 – 人情も、利用する価値がある
      1. グラナト伯爵は我々に恨みがあるようだが、人情に厚いお方のようだ。取り入れれば和睦と称して、この街の防護結界を解除させることも可能だろう。あとはアウラ様の軍勢がこの街を滅ぼしてくださる。
  5. 💬 セリフ #10 – 障害を排除すれば、計画は完成する
      1. リュグナー様の見立てによれば、この少女が我らの唯一の障害。こいつを始末すれば、あとはグラナト伯爵を懐中するだけでこの街は容易に落ちる。言っておくけど私強いよ。俺よりもか?断頭台のアウラよりも。
  6. 📝 まとめ:言葉と記憶が残すもの

💬 セリフ #6 – 言葉の裏にある「本性」

私たちを憎んでいるこの街の住民でさえ、私を見るときは、怯えながらも人を見る目をしている。だが、君のその目はまるで、猛獣でも見ているかのような目だ。実際にそうでしょ。お前たち魔族は人の声真似をするだけの、言葉の通じない猛獣だ。

I know how the townsfolk feel. They tremble at the sight of me.
Loathe my existence. But despite that, they still view me as a person.
Not you. Whenever you look at my face, you see only a wild beast that should be put down.
And is that not what you are?
Demons are simply monsters who have learned human speech. You only communicate with lies.

🔤語彙解説

tremble /ˈtrɛmbəl/(動詞):震える、おびえる
→ 恐怖や寒さで体が小さく震える様子を表します。心の動揺にも使えます。
loathe /loʊð/(動詞):ひどく嫌う、憎む
→ 感情的な嫌悪を表す強い語。「hate」よりも強烈な印象があります。
wild beast /waɪld biːst/(名詞):野獣、猛獣
→ 手に負えない危険な動物を指す語で、しばしば比喩的に人を表します。
put down /pʊt daʊn/(句動詞):殺処分する、抑える
→ ここでは「危険な動物を殺す」という意味の婉曲表現です。
communicate /kəˈmjuːnɪkeɪt/(動詞):意思疎通する、伝える
→ 思いや情報を伝達する行為を指し、言語だけでなく感情や態度でも可能です。
lie /laɪ/(名詞/動詞):うそ/うそをつく
→ 意図的に事実を偽ること。「a lie」=名詞、「to lie」=動詞。魔族の本質を示すキーワード。

🧠文法・構文・訳しにくい点の解説

They tremble at the sight of me.
→ 「tremble at 〜」で「〜におびえる」。前置詞「at」は「〜を見て反応する」ニュアンス。
But despite that, they still view me as a person.
→ 「despite that」は「それにもかかわらず」。逆接の副詞句で文頭に置く。
you see only a wild beast that should be put down.
→ 関係代名詞「that」が「beast」を修飾し、「殺処分されるべき獣」という意味になる。
Demons are simply monsters who have learned human speech.
→ 「who have learned」が関係詞節で「学んだ魔族」を説明。不気味さを強調する構文。
You only communicate with lies.
→ 「only communicate with lies」で「うそだけで会話する」という、存在の否定を表す強い構文。

📘スラッシュリーディング訳

I know how the townsfolk feel. /
私はこの街の人々の気持ちがわかる

They tremble at the sight of me. /
彼らは私を見ると震える
Loathe my existence. /
私の存在を憎んでいる

But despite that, /
それでも、
they still view me as a person. /
彼らは私を「人間」として見ている

Not you. /
でも君は違う
Whenever you look at my face, /
君が私の顔を見るたび、
you see only a wild beast /
ただの猛獣を見るような目をしている
that should be put down. /
そしてそれは殺されるべきものとして見ている

And is that not what you are? /
それこそが君なのでは?

Demons are simply monsters /
魔族とはただの化け物だ
who have learned human speech. /
人間の言葉を学んだだけのな

You only communicate with lies. /
お前たちはうそでしか会話をしない

💬 セリフ #7 – 話し合いは、通じる相手にしか意味がない

話し合いで解決するならそれに越したことはねえじゃねえか。解決しないから無駄なんだよ。魔族は人喰いの化け物だ。そいつらが人類と同じ言葉を使う理由を考えたことはある?

Wouldn’t the best option be to stop fighting and start talking their problems out?
No. Nothing will be resolved that way.
Demons are beasts who seek to devour.
Have you ever wondered why those monsters chose to speak the same language as humans?

🔤語彙解説

resolve /rɪˈzɑːlv/(動詞):解決する
→ 問題や対立を収束させるときによく使われるフォーマルな語です。
devour /dɪˈvaʊər/(動詞):むさぼり食う、貪欲に食べる
→ 野生動物が餌をがつがつ食べる様子や、人間の貪欲な行動にも使われます。
beast /biːst/(名詞):獣、猛獣
→ 危険で理性のない存在を表す言葉。しばしば比喩的に人間にも使われます。
language /ˈlæŋɡwɪdʒ/(名詞):言語
→ 単なる言葉の集合ではなく、文化や思考の表現手段を含む深い意味があります。
wonder /ˈwʌndər/(動詞):不思議に思う、考える
→ 「Have you ever wondered why〜?」は「なぜ〜なのか考えたことがある?」の定番表現。
option /ˈɑːpʃən/(名詞):選択肢、可能性
→ 何かを選ぶときの「手段」「道」を指し、柔らかい印象を与える語です。

🧠文法・構文・訳しにくい点の解説

Wouldn’t the best option be to stop fighting and start talking their problems out?
→ 仮定法的な婉曲疑問形で「〜するのが一番いいんじゃない?」という提案。to不定詞は名詞句「the best option」を補う。
Nothing will be resolved that way.
→ 「that way」は「その方法で」という副詞句。「will be resolved」は受動態で「解決される」の意。
Demons are beasts who seek to devour.
→ 関係詞「who」が「beasts」を修飾。「devour」は目的語が省略された他動詞で「食らう対象」が暗示されている。
Have you ever wondered why〜?
→ 「Have you ever wondered」が現在完了疑問文で、「why節」が目的語となる構文。頻出定型。
chose to speak the same language as humans
→ 「chose to 動詞」は「〜することを選んだ」。「the same language as〜」で「〜と同じ言語」という比較構文。

📘スラッシュリーディング訳

Wouldn’t the best option be /
一番いい選択肢は〜じゃないか
to stop fighting /
戦いをやめて
and start talking their problems out? /
話し合いで問題を解決することだ

No. /
いや
Nothing will be resolved that way. /
そんな方法では何も解決しない

Demons are beasts /
魔族は獣だ
who seek to devour. /
人を喰らおうとする

Have you ever wondered /
考えたことがあるか
why those monsters /
なぜあの化け物たちが
chose to speak /
話すことを選んだのか
the same language as humans? /
人間と同じ言語を

💬 セリフ #8 – 「お母さん」という言葉の魔法

お前たちは孤独を当たり前とする生物で、家族という概念すら存在しない。なのに、何でお母さんなんて言葉を使う?だって、殺せなくなるでしょ。まるで魔法のような、素敵な言葉。

That makes you ruthless, solitary creatures. Lone wolves with no concept of what family means.
Explain. Why would you call out to a mother
you’ve never known? It’s simple. That word stops humans.
It keeps them from murdering us. Isn’t that magical?

🔤語彙解説

ruthless /ˈruːθləs/(形容詞):冷酷な、情け容赦ない
→ 同情や迷いなく残酷なことをする性質を表す語。敵や悪役の描写によく使われます。
solitary /ˈsɑːlətɛri/(形容詞):孤独な、単独で生きる
→ 他者との関係を持たずに生きること。野生動物や孤高の人間像によく使われます。
concept /ˈkɑːnsept/(名詞):概念、考え方
→ 抽象的なアイデアや認識の枠組みを指す言葉。論理や文化に関連します。
call out to /kɔːl aʊt tuː/(句動詞):〜に呼びかける
→ 声を出して誰かの注意を引こうとする動作。感情的な場面でよく使われます。
murder /ˈmɜːrdər/(動詞):殺す、殺害する
→ 一般的に「意図的な殺人」を指し、法的・感情的に重い語。
magical /ˈmædʒɪkəl/(形容詞):魔法のような、不思議な力のある
→ 魔法そのものだけでなく、「魅力的な・不思議な」もの全般に使えます。

🧠文法・構文・訳しにくい点の解説

That makes you ruthless, solitary creatures.
→ 「That makes you + 形容詞 + 名詞」で「あなたを〜な存在にしている」という構文。使役+補語のパターン。
Lone wolves with no concept of what family means.
→ 「with + 名詞 + of〜」の形で、「〜という概念を持たない」補足説明を加えている。
Why would you call out to a mother you’ve never known?
→ 仮定法の疑問形。「would」は非現実的・皮肉的な問いかけ。「you’ve never known」は現在完了。
That word stops humans.
→ 「stop + 目的語」で「〜を止める」。「that word」が主語になっている倒置のないシンプル構文。
Isn’t that magical?
→ 「Isn’t that〜?」は同意を求めるレトリック疑問文。話し相手に強調を促す。

📘スラッシュリーディング訳

That makes you ruthless, solitary creatures. /
それが君たちを / 冷酷で孤独な存在にしているんだ

Lone wolves /
孤独なオオカミのような者たち
with no concept /
何の概念も持たず
of what family means. /
家族とは何かという

Explain. /
説明してみろ
Why would you call out /
なぜ呼びかけたんだ
to a mother /
母親という存在に
you’ve never known? /
一度も知らなかったくせに

It’s simple. /
理由は簡単さ
That word stops humans. /
その言葉は人間の手を止める

It keeps them /
それは人間を
from murdering us. /
僕たちを殺すのを止めさせる

Isn’t that magical? /
それってまるで魔法みたいだろ?

💬 セリフ #9 – 人情も、利用する価値がある

グラナト伯爵は我々に恨みがあるようだが、人情に厚いお方のようだ。取り入れれば和睦と称して、この街の防護結界を解除させることも可能だろう。あとはアウラ様の軍勢がこの街を滅ぼしてくださる。

Graf Granat resents us, but he is also an empathetic man. And that’s a flaw we can wield against him.
I aim to win his trust. And if I do, I’ll ask him to lower the town’s defensive barrier as a show of good faith.
Then Lady Aura’s forces will raze this meddlesome town and feast.

🔤語彙解説

resent /rɪˈzent/(動詞):恨む、憤慨する
→ 不公平だと感じて心の中で怒りを抱くこと。静かな怒りのニュアンスがある。
empathetic /ˌempəˈθetɪk/(形容詞):感情移入できる、思いやりのある
→ 他人の気持ちに共感できる性質。ポジティブな人間性としてよく使われる。
wield /wiːld/(動詞):(力・武器などを)使う、操る
→ 通常は剣や権力など「強力なものを振るう」という意味で使われる。
defensive barrier /dɪˈfensɪv ˈbæriər/(名詞):防御障壁、防護結界
→ 攻撃から守るための物理的・魔法的な防御線。ファンタジーでは結界として頻出。
raze /reɪz/(動詞):完全に破壊する、壊滅させる
→ 建物や都市などを「跡形もなく破壊する」ときに使う強い語。
meddlesome /ˈmedlsəm/(形容詞):おせっかいな、干渉的な
→ 他人のことに余計な口を出す様子を批判的に表す語。

🧠文法・構文・訳しにくい点の解説

Graf Granat resents us, but he is also an empathetic man.
→ 「resent」は感情動詞で「人に対して怒りを抱く」。接続詞「but」で逆説的に人物像を描いている。
that’s a flaw we can wield against him.
→ 「flaw」は弱点・欠点で、「wield against」で「〜に対して利用する」という目的語付きの構文。
I aim to win his trust.
→ 「aim to + 動詞」は「〜を目指す」という意志の強い表現。
ask him to lower the town’s defensive barrier
→ 「ask + 人 + to 動詞」の形で「〜してくれるよう頼む」。目的語が2つある典型的構文。
as a show of good faith.
→ 「as a show of〜」は「〜の証として」。抽象名詞を慣用句として使った定番表現。
will raze this meddlesome town and feast.
→ 「raze and feast」は並列動詞で、「破壊してから食らう」という戦略の描写。

📘スラッシュリーディング訳

Graf Granat resents us, /
グラナト伯爵は私たちを恨んでいるが、
but he is also an empathetic man. /
同時に、人情に厚い男でもある

And that’s a flaw /
そしてそれは弱点だ
we can wield against him. /
我々が彼に対して利用できる

I aim to win his trust. /
私は彼の信頼を得るつもりだ

And if I do, /
もしそれが叶えば
I’ll ask him to lower /
彼に頼むつもりだ
the town’s defensive barrier /
この街の防護結界を解除するように
as a show of good faith. /
善意の証として

Then Lady Aura’s forces /
そのときアウラ様の軍勢が
will raze this meddlesome town /
このおせっかいな街を滅ぼし
and feast. /
好き放題に食らうだろう

💬 セリフ #10 – 障害を排除すれば、計画は完成する

リュグナー様の見立てによれば、この少女が我らの唯一の障害。こいつを始末すれば、あとはグラナト伯爵を懐中するだけでこの街は容易に落ちる。言っておくけど私強いよ。俺よりもか?断頭台のアウラよりも。

According to Lord Lugner, this girl is the only obstacle standing in our way.
If I dispose of her now, and we get Graf Granat to trust us, this town will crumble.
I should warn you that I am fairly strong.
Stronger than me?
Stronger even than Aura the Guillotine.

🔤語彙解説

obstacle /ˈɑːbstəkl/(名詞):障害、妨げ
→ 物理的・精神的に「道をふさぐもの」。問題や敵などにも使える。
dispose of /dɪˈspəʊz əv/(表現):〜を処分する、始末する
→ 敵を倒す、片づける、という意味で物騒な場面でも使われる定番句。
crumble /ˈkrʌmbl/(動詞):崩れる、崩壊する
→ 建物や組織などが「脆く壊れていく」様子を表す。比喩にも使いやすい語。
warn /wɔːrn/(動詞):警告する、注意を促す
→ 危険や重要なことを事前に伝えるときに使う基本動詞。
fairly /ˈferli/(副詞):かなり、相当に
→ 「very」ほど強くないが、控えめに自信を示すときに使う。
guillotine /ˈɡɪlətiːn/(名詞):ギロチン、断頭台
→ 歴史的処刑器具の名称で、比喩的に「冷酷な存在」を表すこともある。

🧠文法・構文・訳しにくい点の解説

According to Lord Lugner, this girl is the only obstacle standing in our way.
→ 「According to 〜」は「〜によれば」。主語+現在分詞「obstacle standing」で「立ちふさがる障害」という形容詞句。
If I dispose of her now, and we get Graf Granat to trust us, this town will crumble.
→ 「If 〜, and 〜, then 〜」の構文。2つの条件がそろえば結末が起こるという未来条件文。
I should warn you that I am fairly strong.
→ 「should + 動詞」で「〜しておくべき」。that以下が内容を補足する名詞節。
Stronger than me? / Stronger even than Aura the Guillotine.
→ 比較構文「stronger than A」に強調語「even」が挿入され、「アウラよりもさらに強い」という強い対比。

📘スラッシュリーディング訳

According to Lord Lugner, /
リュグナー様によれば、
this girl is /
この少女が
the only obstacle /
唯一の障害だ
standing in our way. /
我々の行く手をふさぐ

If I dispose of her now, /
もし今この子を始末できれば、
and we get Graf Granat to trust us, /
そしてグラナト伯爵を味方につけられれば、
this town will crumble. /
この街は簡単に落ちる

I should warn you /
言っておくけど
that I am fairly strong. /
私はかなり強いよ

Stronger than me? /
俺よりもか?
Stronger even than Aura the Guillotine. /
断頭台のアウラよりも強いってのか

📝 まとめ:言葉と記憶が残すもの

Words can be bridges /
言葉は人と人をつなぐ橋になることもある。

or sharp blades. /
あるいは鋭い刃にもなる。

The demons speak like humans /
魔族たちは人間のように話すが、
only to deceive. /
それは欺くためにすぎない。

Frieren sees through /
フリーレンは見抜いている。
the emptiness behind their words. /
言葉の裏にある虚しさを。

Yet in a statue /
だが一方で、像に込められた
left behind by a friend, /
仲間の想いは、
she finds comfort. /
彼女の心を少し温めてくれる。

Memories last, /
記憶は残る。
even when those who made them /
たとえそれを刻んだ人が
are gone. /
いなくなったとしても。

▶ 重要語句

deceive /dɪˈsiːv/(動詞):だます、欺く
→ 故意に相手を誤解させるときに使う基本語です。
emptiness /ˈɛmptinəs/(名詞):空虚、むなしさ
→ 見た目は満ちていても中身がない状態を表します。
statue /ˈstætʃuː/(名詞):彫像、像
→ 人物の記念や象徴として造られる立体物です。
comfort /ˈkʌmfərt/(名詞):安心感、慰め
→ 心を落ち着け、温かい気持ちにさせてくれるもの。
remain /rɪˈmeɪn/(動詞):残る、存続する
→ 誰かや何かが去った後も、そこに存在し続けること。
concept /ˈkɒnsɛpt/(名詞):概念、考え
→ 抽象的な意味づけや思想を言語で捉えるときの語です。

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