【葬送のフリーレン 1期 3話】英語セリフで学ぶ:「旅の再出発」に宿る小さな決意とは?

セリフで学ぶ英語
この記事は約33分で読めます。
※本記事で使用している画像はすべて、アニメ『葬送のフリーレン』(第3話)より引用しています。セリフの英語学習および解説を目的としており、著作権はすべて©アベツカサ・山田鐘人/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会に帰属します。
  1. あらすじ:英語で読む再出発と心の距離
  2. セリフ1:顔を見ればわかる ― フェルンの鋭い勘
      1. これ、私に何か隠している時の顔だ。フリーレン様との付き合いは長い。こういう時はろくなことがない。決まって、余計な物を買ってくるんだ。
  3. セリフ2:初めて見る顔 ― フリーレンの「悩み」
      1. え、何その顔?私、フリーレン様のあんなに悩んでる顔、見たことないんだけど。
  4. セリフ3:心の距離 ― わかり合う努力
      1. 何年一緒に旅をしていると思っているんだ。なんとなく、わかるさ。私は、みんなのこと何もわからない。なら、知ってもらえるように頑張るとするかな。
  5. セリフ4:伝わらないから、伝える ― フェルンの素直な気持ち
      1. フリーレン様は、どうしようもない程に鈍い方のようなので、はっきりと伝えます。あなたが私を知ろうとしてくれたことが、たまらなくうれしいのです。知ろうとしただけなのに?フリーレン様は本当に人の感情がわかっていませんね。
  6. セリフ5:風化する前に ― 旅に込めた静かな願い
      1. ところでフリーレン様、この旅って何か目的はあるんですか?特にないよ。魔法収集の趣味の旅だからね。でも、できる限りはヒンメルたちとの冒険の痕跡をたどっていきたいかな。風化する前にね。
  7. セリフ6:守りの魔法 ― 生き残るための優先順位
      1. 防御魔法の練習ばかりですね。生存率に直結するからね。確かに、防御魔法一つでほとんどの攻撃魔法が防げますからね。強力すぎて不思議です。
  8. セリフ7:ゾルトラークの脅威 ― 防御をも貫く魔法
      1. 人類の防御魔法は、もちろん装備の魔法耐性さえも貫通し、人体を直接破壊する魔法だ。この地方では、冒険者の4割、魔法使いに至っては7割が、ゾルトラークによって殺されたと言われている。
  9. セリフ8:恐怖から体系へ ― ゾルトラークと人類の進化
      1. 大陸中の魔法使いが、ゾルトラークをこぞって研究・解析した。わずか数年で、ゾルトラークは人類の魔法体系に組み込まれた。新しい防御術式による強力な防御魔法が開発された。装備による魔法耐性も格段に向上した。ゾルトラークは人を殺す魔法ではなくなった。
  10. セリフ9:訓練の成果 ― フェルンの即応
      1. 防御の方の弱点に気づかれた。フェルン、対処できるよね?はい、練習でもう見ましたから。
  11. セリフ10:信じるということ ― ヒンメルの残したもの
      1. この村の人たちは、ヒンメルを信じていたんだ。よくわかりませんが……。ヒンメル様は、フリーレン様を信じていたのだと思いますよ。どうしたのですか?別に。
  12. ✨ まとめ:人の記憶と心を受け継ぐ旅

あらすじ:英語で読む再出発と心の距離

Frieren and Fern /
フリーレンとフェルンは /
set off on their journey together /
共に旅立つ。
after saying goodbye to Heiter. /
ハイターに別れを告げたあとで。

Their destination /
ふたりの目的地は、
is a place where rare grimoires are kept /
珍しい魔導書が保管されている場所であり、
and trials await them. /
そこでは試練が彼女たちを待っている。

Along the way, /
旅の途中で、
they stop in a village /
ふたりはある村に立ち寄る。
where people speak of the hero Himmel. /
そこでは人々が勇者ヒンメルの話をしていた。

Frieren begins to realize /
フリーレンは徐々に気づき始める、
how little she understood /
自分がどれほど
about Himmel’s emotions and humanity. /
ヒンメルの感情や人間性を理解していなかったかを。

Fern quietly watches /
フェルンは静かに見守る、
as Frieren reflects on her past /
過去を振り返るフリーレンの姿を。
and slowly opens up emotionally. /
そして少しずつ感情を表に出すようになる様子を。

Their journey is no longer just about magic, /
彼女たちの旅は、もはや魔法のためだけのものではない。
but about understanding others /
他者を理解し、
and preserving memories /
記憶を守り続けることへと
that would otherwise be forgotten. /
忘れられてしまうはずだった記憶を。

🔤 語彙解説

grimoire /ˈɡrɪm.wɑːr/(名詞):魔導書
→ 魔法や呪文に関する知識が記された書物で、ファンタジーに頻出する専門的な語です。
trial /ˈtraɪ.əl/(名詞):試練、困難
→ 精神的または肉体的に乗り越えるべき難題や、人格や能力を試す状況を表します。
emotion /ɪˈməʊ.ʃən/(名詞):感情
→ 喜怒哀楽などの内面的な気持ちを総称する語で、心理描写などで頻繁に使われます。
reflect /rɪˈflekt/(動詞):振り返る、内省する
→ 自分の過去の経験や感情を心の中で思い返して考える行為を表します。
preserve /prɪˈzɜːv/(動詞):守る、保存する
→ 大切なものが失われないように維持することで、文化や自然、記憶などに使われます。
humanity /hjuːˈmæn.ə.ti/(名詞):人間らしさ、人間性
→ 思いやりや感受性といった、人間に特有の温かい内面の性質を表す抽象的な語です。

セリフ1:顔を見ればわかる ― フェルンの鋭い勘

これ、私に何か隠している時の顔だ。フリーレン様との付き合いは長い。こういう時はろくなことがない。決まって、余計な物を買ってくるんだ。

Great. That’s the face she makes when she’s hiding something from me.
I’ve known Mistress Frieren for a long time.
Nothing good happens when she makes that face.
She’s plotting to buy something we don’t need.

🔤 語彙解説

plot /plɒt/(動詞):たくらむ、企む
→ 秘密裏に何かを計画することを意味し、悪意がなくても使える幅広い語です。
hide /haɪd/(動詞):隠す、隠れる
→ 物や感情、情報を他人の目から見えなくする動作を指します。
nothing good /ˈnʌθ.ɪŋ ɡʊd/(表現):ろくなことがない
→ 何か悪いことが起こりそうな予感や、不吉な結果を示唆する口語表現です。
face /feɪs/(名詞):顔、表情
→ 顔の部位だけでなく、その人の感情や気持ちを表す表情としても使われます。
know /nəʊ/(動詞):知っている、親しい
→ 知識として知るだけでなく、人と深い関係性がある場合にも用いられます。
we don’t need /wiː dəʊnt niːd/(表現):不要なもの
→ 「私たちにとって必要ではない」として、物事を拒否するやわらかい言い方です。

🧩 文法・構文解説

Great. That’s the face she makes when she’s hiding something from me.
“That’s the face she makes when…” は「〜するときに彼女が見せる顔」という構文で、”Great.” は皮肉として使われている。
I’ve known Mistress Frieren for a long time.
“I have known” は現在完了形で、「ずっと以前から今まで」続いている関係を表している。
Nothing good happens when she makes that face.
“Nothing good” が主語で、「良いことは何も起きない」という否定的表現。”when…” は条件節。
She’s plotting to buy something we don’t need.
“plot to do” は「〜しようとたくらむ」の意味で、”something we don’t need” は関係詞節で「必要のないもの」。

📘 スラッシュリーディング訳

Great. /
やれやれ。
That’s the face /
あれは表情だ
she makes /
彼女が見せる
when she’s hiding something from me. /
私に何かを隠しているときの。

I’ve known Mistress Frieren /
私はフリーレン様を知っている
for a long time. /
長い付き合いだから。

Nothing good happens /
ろくなことは起きない
when she makes that face. /
彼女があの顔をしているときには。

She’s plotting /
彼女は企んでいる
to buy something /
何かを買おうと
we don’t need. /
私たちには不要なものを。

セリフ2:初めて見る顔 ― フリーレンの「悩み」

え、何その顔?私、フリーレン様のあんなに悩んでる顔、見たことないんだけど。

Huh?! What’s that face?
In all these years, I’ve never seen Mistress Frieren look so troubled before.

🔤 語彙解説

huh /hʌ/(間投詞):えっ?
→ 驚き・困惑・戸惑いなどを表すカジュアルな反応語で、日本語の「え?」に相当します。
troubled /ˈtrʌb.əld/(形容詞):悩んでいる、不安そうな
→ 心に葛藤や不安を抱えていて、落ち着かない様子を示す語です。
in all these years /ɪn ɔːl ðiːz jɪəz/(表現):これまでの長い年月の中で
→ 過去から現在までの長い期間を強調する表現で、感情的な文脈によく使われます。
never /ˈnev.ər/(副詞):一度も〜ない
→ 経験や事実に対して完全否定を示し、現在完了形とよく組み合わされます。
look /lʊk/(動詞):〜のように見える
→ 外見や印象を通して主観的に何かを感じ取るときに使われる動詞です。
before /bɪˈfɔːr/(副詞):以前に、これまでに
→ 経験や出来事が過去に存在したかどうかを問う場面でよく用いられます。

🧩 文法・構文解説

Huh?! What’s that face?
“What’s that face?” は直訳すると「その顔は何?」だが、驚きや違和感を表す口語表現で「何その顔?」という意味。
In all these years, I’ve never seen Mistress Frieren look so troubled before.
“have never seen A B” は「AがBするのを見たことがない」という現在完了形。ここでは “Mistress Frieren look” の目的語説明型(SVOC)をとっている。

📘 スラッシュリーディング訳

Huh?! /
えっ?!
What’s that face? /
何その顔?

In all these years, /
これまでずっと一緒にいて
I’ve never seen Mistress Frieren /
私はフリーレン様のことを一度も見たことがない
look so troubled before. /
あんなに悩んでいるような姿は。

セリフ3:心の距離 ― わかり合う努力

何年一緒に旅をしていると思っているんだ。なんとなく、わかるさ。私は、みんなのこと何もわからない。なら、知ってもらえるように頑張るとするかな。

You travel with someone for years, and you pick up on things.
I can just tell with you.
I can’t tell what any of you are thinking.
Then we should put in more effort so you can get to know us better.

🔤 語彙解説

pick up on /pɪk ʌp ɒn/(表現):気づく、察する
→ 言葉にされていない感情や空気を読み取り、細かな違和感に反応する表現です。
tell /tel/(動詞):わかる、見分ける
→ 「can tell」で判断や理解ができることを示し、知覚や経験に基づいた認識を表します。
effort /ˈef.ət/(名詞):努力
→ 目標や成果のために意図的に力を注ぐ行為で、継続的な取り組みを含みます。
get to know /ɡet tə nəʊ/(表現):〜を知るようになる
→ 関係を深めながら、相手の性格や背景を時間をかけて理解することを意味します。
any of you /ˈɛ.ni əv juː/(表現):あなたたちの誰か
→ 否定文で使うと「誰一人〜ない」の強い否定を含み、文脈によって皮肉にもなります。
better /ˈbet.ər/(副詞):よりよく
→ 技術・理解・関係性などが今より改善・向上していることを示す比較表現です。

🧩 文法・構文解説

You travel with someone for years, and you pick up on things.
“pick up on” は「〜に気づく・察する」の意味の口語表現。”for years” により長期間を示す。
I can just tell with you.
“just tell” は「なんとなくわかる」のニュアンスで、”with you” は「君については」という対象を表している。
I can’t tell what any of you are thinking.
“what any of you are thinking” は名詞節で “tell” の目的語。”any of you” で「君たちの誰が何を考えているか」すらわからないという強調。
Then we should put in more effort so you can get to know us better.
“put in effort” は「努力する」。“so you can get to know us better” は目的を表す結果の副詞節。

📘 スラッシュリーディング訳

You travel with someone for years, /
何年も誰かと旅をすれば、
and you pick up on things. /
なんとなくわかるようになるんだ。

I can just tell with you. /
君のことは、なんとなくわかるんだよ。

I can’t tell /
私はわからない
what any of you are thinking. /
君たちが何を考えているのか、誰一人として。

Then we should put in more effort /
なら、私たちがもっと努力しよう
so you can get to know us better. /
君が私たちをもっとよく知れるように。

セリフ4:伝わらないから、伝える ― フェルンの素直な気持ち

フリーレン様は、どうしようもない程に鈍い方のようなので、はっきりと伝えます。あなたが私を知ろうとしてくれたことが、たまらなくうれしいのです。知ろうとしただけなのに?フリーレン様は本当に人の感情がわかっていませんね。

Very well, and because you’re hopelessly dense when it comes to these things, allow me to be clear.
I am overjoyed that you’re trying to get to know me.
That is a gift in itself.
Simply trying means that much?
Maybe we should find you a spell for understanding people’s feelings.

🔤 語彙解説

hopelessly /ˈhəʊp.ləs.li/(副詞):どうしようもなく、救いようがなく
→ 状況や性格が極端に悪く、改善や解決が不可能に思えるときに使われます。
dense /dens/(形容詞):鈍感な
→ 冗談や気持ちに気づかず、察しの悪い人を皮肉っぽく表す口語的な表現です。
overjoyed /ˌəʊ.vəˈdʒɔɪd/(形容詞):とてもうれしい、感激している
→ 喜びがあふれて抑えられないような感情を表し、「happy」よりも強い語です。
gift /ɡɪft/(名詞):贈り物、喜び
→ 物だけでなく、優しさや思いやりの行為も「gift」として表現されます。
simply /ˈsɪm.pli/(副詞):単に、ただ
→ 「それだけで十分」「余計な理由なしに」という意味で使われ、強調の役割もあります。
spell /spel/(名詞):呪文、魔法
→ 特別な言葉や儀式としての魔法を表し、比喩的に魅力や感動を表現することもあります。

🧩 文法・構文解説

Very well, and because you’re hopelessly dense when it comes to these things, allow me to be clear.
“hopelessly dense” は「救いようがないほど鈍い」という口語表現。”when it comes to” は「〜に関しては」。丁寧ながらもストレートな文。
I am overjoyed that you’re trying to get to know me.
“overjoyed that…” は「〜ということに非常に喜んでいる」構文で、”get to know” は「知るようになる・理解し合う」の意味。
That is a gift in itself.
“in itself” は「それ自体で」という意味の副詞句。”gift” は文字どおりの贈り物でなく「貴重なもの・ありがたいこと」の比喩。
Simply trying means that much?
“mean that much” は「そんなに大きな意味を持つの?」という驚きを含む問い。”simply trying” が主語。
Maybe we should find you a spell for understanding people’s feelings.
“should find you a spell” は「君のために呪文を見つけるべきかもしれない」という仮提案。”for understanding…” で目的が続く。

📘 スラッシュリーディング訳

Very well, /
よろしいですか、
and because you’re hopelessly dense /
あなたはどうしようもなく鈍いので
when it comes to these things, /
こういうことに関しては、
allow me to be clear. /
はっきりと言わせていただきます。

I am overjoyed /
私はとても嬉しいのです
that you’re trying to get to know me. /
あなたが私を知ろうとしてくれたことが。

That is a gift in itself. /
それ自体が、私にとっての贈り物です。

Simply trying /
ただ知ろうとするだけで
means that much? /
そんなに価値があるの?

Maybe we should find you a spell /
あなたには魔法が必要かもしれませんね
for understanding people’s feelings. /
人の気持ちを理解するための。

セリフ5:風化する前に ― 旅に込めた静かな願い

ところでフリーレン様、この旅って何か目的はあるんですか?特にないよ。魔法収集の趣味の旅だからね。でも、できる限りはヒンメルたちとの冒険の痕跡をたどっていきたいかな。風化する前にね。

Tell me the truth, Mistress.
Does our journey have a notable purpose this time?
Not especially.
Hopefully, we’ll be able to find some decent spells, though.
That, and whenever possible, I’d like to retrace the adventures I had with Himmel and the others.

🔤 語彙解説

notable /ˈnəʊ.tə.bəl/(形容詞):注目すべき、特別な
→ 他と比べて際立っていたり、記憶に残るような特徴を持つ対象を表します。
hopefully /ˈhəʊp.fəl.i/(副詞):うまくいけば、願わくば
→ 実現を願っている気持ちをやわらかく表す語で、控えめな希望や期待に使われます。
decent /ˈdiː.sənt/(形容詞):まともな、良質な
→ 完璧ではないが十分に満足できる水準で、失礼にならない程度の肯定に使われます。
retrace /rɪˈtreɪs/(動詞):(足跡・道筋を)たどる
→ 以前に通った場所や行動をもう一度たどって確認・再体験することを意味します。
adventure /ədˈven.tʃər/(名詞):冒険、冒険の旅
→ 危険や予測不能な状況を含んだ刺激的な体験や旅のことを指します。
purpose /ˈpɜː.pəs/(名詞):目的、意図
→ 行動や計画の背後にある動機・目標を意味し、真剣な意味合いを持つ語です。。

🧩 文法・構文解説

Tell me the truth, Mistress.
“Tell me the truth” は「正直に言ってください」という決まり文句。”Mistress” は敬称で、フォーマルな呼びかけ。
Does our journey have a notable purpose this time?
“Does our journey have…” の形で疑問文を作っており、”notable purpose” は「目立った/特筆すべき目的」。”this time” によって過去との違いを示している。
Not especially.
省略された形で “It doesn’t, especially.” の意。”特にないよ” という口語的な返答表現。
Hopefully, we’ll be able to find some decent spells, though.
“Hopefully” は文頭で「うまくいけば/願わくば」を意味し、”we’ll be able to” は未来の可能性を示している。”though” で逆説的に補足を加える。
That, and whenever possible, I’d like to retrace the adventures I had with Himmel and the others.
“That” は前文の内容(呪文探索)を指し、”and whenever possible” は「できる限り」の条件を追加。”retrace the adventures” で「冒険の足跡をたどる」という意味。

📘 スラッシュリーディング訳

Tell me the truth, Mistress. /
正直に教えてください、フリーレン様。

Does our journey /
私たちの旅には
have a notable purpose this time? /
今回は特別な目的があるのですか?

Not especially. /
特にないよ。

Hopefully, /
うまくいけば、
we’ll be able to find /
見つけられるといいな
some decent spells, though. /
そこそこ良い魔法でも。

That, and whenever possible, /
それと、できるかぎり、
I’d like to retrace /
たどっていきたいんだ
the adventures I had /
かつて体験した冒険を
with Himmel and the others. /
ヒンメルたちと一緒に。

セリフ6:守りの魔法 ― 生き残るための優先順位

防御魔法の練習ばかりですね。生存率に直結するからね。確かに、防御魔法一つでほとんどの攻撃魔法が防げますからね。強力すぎて不思議です。

We’ve been practicing nothing but defense for ages.
Yes, to improve your odds of survival.
I guess that makes sense.
Being able to cast one defensive spell can protect you from most every offensive spell.
It’s eerie how powerful they are.

🔤 語彙解説

practice /ˈpræk.tɪs/(動詞):練習する、訓練する
→ 能力や技術を高めるために、意図的に繰り返し行う行動を指します。
odds /ɒdz/(名詞):可能性、確率
→ 何かが起こる見込みの度合いを表し、「the odds of ~」の形でよく使われます。
offensive /əˈfen.sɪv/(形容詞):攻撃的な
→ 相手に対して積極的に攻める行動や態度を表し、戦いや議論で使われます。
defensive /dɪˈfen.sɪv/(形容詞):防御の
→ 攻撃から身を守るための行動や構えを表し、「defensive magic」などで使われます。
eerie /ˈɪə.ri/(形容詞):不気味な、ぞっとするような
→ 理由がわからず気味が悪い印象を与えるときに使われる感覚的な語です。
for ages /fər ˈeɪ.dʒɪz/(表現):長い間、ずっと
→ 非常に長い期間を強調する口語表現で、「何年も前から」のニュアンスがあります。

🧩 文法・構文解説

We’ve been practicing nothing but defense for ages.
“nothing but” は「〜しかしていない」という意味の慣用表現。”have been practicing” は現在完了進行形で「ずっと練習してきている」のニュアンス。
Yes, to improve your odds of survival.
“odds of survival” は「生存確率」。”to improve” は目的を示す不定詞。簡潔ながら論理的な説明。
I guess that makes sense.
“I guess” は「〜だと思う/たぶんね」という控えめな表現。”make sense” は「理にかなう」。
Being able to cast one defensive spell can protect you from most every offensive spell.
“Being able to cast” は動名詞句で主語。”most every” は「ほとんどすべての」という口語的な強調表現。
It’s eerie how powerful they are.
“It’s eerie how…” で「〜とは不気味だ/奇妙だ」という構文。”how powerful they are” が内容を説明している。

📘 スラッシュリーディング訳

We’ve been practicing /
私たちは練習してばかりですね
nothing but defense /
防御魔法ばかりを
for ages. /
ずっと長い間。

Yes, /
そうだね、
to improve your odds of survival. /
生き残る確率を上げるためだよ。

I guess that makes sense. /
確かに、それは理にかなっています。

Being able to cast /
詠唱できることは
one defensive spell /
たった一つの防御魔法を
can protect you /
守ってくれるんです
from most every offensive spell. /
ほとんどすべての攻撃魔法から。

It’s eerie /
不思議な感じがしますね
how powerful they are. /
それほど強力だなんて。

セリフ7:ゾルトラークの脅威 ― 防御をも貫く魔法

人類の防御魔法は、もちろん装備の魔法耐性さえも貫通し、人体を直接破壊する魔法だ。この地方では、冒険者の4割、魔法使いに至っては7割が、ゾルトラークによって殺されたと言われている。

It can pierce not only defensive spells, but the most durable magic-resistant armors.
It directly targets and destroys the body.
It is said that in this region, 40 percent of their adventurers and 70 percent of their mages were killed by Zoltraak.

🔤 語彙解説

pierce /pɪəs/(動詞):貫通する、突き刺す
→ 壁や防御を突き破るイメージで、攻撃や魔法が対象を貫く動作を表します。
durable /ˈdjʊə.rə.bəl/(形容詞):耐久性のある、丈夫な
→ 長期間使っても壊れにくい性質を表し、道具や素材の性能を説明するときに使われます。
magic-resistant /ˈmædʒ.ɪk rɪˈzɪs.tənt/(形容詞句):魔法に耐性のある
→ 魔法が効きにくい、または効果を減少させる特性を持つ対象を指します。
target /ˈtɑː.ɡɪt/(動詞):狙う、標的にする
→ 攻撃や行動の焦点を特定の人や物に向けることを意味します。
region /ˈriː.dʒən/(名詞):地域、地方
→ 国や都市よりも広い範囲を表す語で、地理的・行政的な区分に使われます。
be killed by /biː ˈkɪld baɪ/(受動態):〜によって殺される
→ 主語が誰かの行動によって死に至ったことを示す受け身の構文です。

🧩 文法・構文解説

It can pierce not only defensive spells, but the most durable magic-resistant armors.
“not only A, but B” は「AだけでなくBも」の構文。”pierce” は「貫通する」、”magic-resistant” は形容詞で「魔法耐性のある」。
It directly targets and destroys the body.
“targets and destroys” は並列動詞で、「狙って破壊する」という一連の動作。”directly” によって「直接的に」という強調が加わっている。
It is said that in this region, 40 percent of their adventurers and 70 percent of their mages were killed by Zoltraak.
“It is said that…” は「〜と言われている」の定型表現。”40 percent of their adventurers and 70 percent of their mages” が複合主語で、”were killed by…” で受動態が用いられている。

📘 スラッシュリーディング訳

It can pierce /
それは貫通することができる
not only defensive spells, /
防御魔法だけでなく
but the most durable /
最も耐久性のある
magic-resistant armors. /
魔法耐性を持つ装備さえも。

It directly targets /
それは直接的に狙いを定め
and destroys the body. /
身体を破壊するんだ。

It is said /
〜と言われている
that in this region, /
この地方では
40 percent of their adventurers /
冒険者の4割と
and 70 percent of their mages /
魔法使いの7割が
were killed by Zoltraak. /
ゾルトラークによって殺されたと。

セリフ8:恐怖から体系へ ― ゾルトラークと人類の進化

大陸中の魔法使いが、ゾルトラークをこぞって研究・解析した。わずか数年で、ゾルトラークは人類の魔法体系に組み込まれた。新しい防御術式による強力な防御魔法が開発された。装備による魔法耐性も格段に向上した。ゾルトラークは人を殺す魔法ではなくなった。

Mages across the land studied and analyzed Zoltraak until they had a complete understanding of it.
In just a few years, your work was incorporated into humankind’s magic system.
New defensive spells with power like none before were developed in response.
The magic resistance offered by equipment has improved significantly as well.
These advances have made Zoltraak a death sentence no longer.

🔤 語彙解説

analyze /ˈæn.əl.aɪz/(動詞):分析する
→ 仕組みや構造を細かく調べて理解すること。
incorporate /ɪnˈkɔː.pər.eɪt/(動詞):組み込む、取り入れる
→ あるシステムや仕組みの一部として統合すること。
in response /ɪn rɪˈspɒns/(表現):対応して、反応として
→ 前の出来事に対する対策や返答という意味合いを持つ表現。
significantly /sɪɡˈnɪf.ɪ.kənt.li/(副詞):大幅に、著しく
→ 数値的・質的に大きな変化や改善があった場合に使う。
advance /ədˈvɑːns/(名詞):進歩、進展
→ 技術や知識の前進・発展を意味する。
death sentence /ˈdeθ ˌsen.təns/(名詞):死刑判決、死を意味するもの
→ ここでは比喩として「確実に死に至るもの」という意味で使用。

🧩 文法・構文解説

Mages across the land studied and analyzed Zoltraak until they had a complete understanding of it.
“across the land” は「大陸中の」こと。”until they had…” で「完全に理解するまで」という到達点を示す副詞節。
In just a few years, your work was incorporated into humankind’s magic system.
“incorporated into” は「〜に組み込まれる」の意味の受動態表現。”just a few years” で短期間の驚きを強調している。
New defensive spells with power like none before were developed in response.
“with power like none before” は「かつてないほどの威力を持つ」という比較表現。”in response” は「それに対応して」。
The magic resistance offered by equipment has improved significantly as well.
“offered by equipment” は過去分詞句で「装備によって提供される」意味。”has improved significantly” は現在完了で「大きく向上してきた」。
These advances have made Zoltraak a death sentence no longer.
“have made A B” は「AをBにした」という第5文型。”no longer” が後置されて「もはや死の呪文ではない」という意味を加えている。

📘 スラッシュリーディング訳

Mages across the land /
大陸中の魔法使いたちが
studied and analyzed Zoltraak /
ゾルトラークを研究・解析した
until they had a complete understanding of it. /
完全に理解するまで。

In just a few years, /
わずか数年で
your work was incorporated /
その研究成果は取り入れられた
into humankind’s magic system. /
人類の魔法体系に。

New defensive spells /
新たな防御魔法が
with power like none before /
かつてないほど強力なものが
were developed in response. /
対応策として開発された。

The magic resistance /
魔法耐性も
offered by equipment /
装備によって与えられるものが
has improved significantly as well. /
大幅に向上した。

These advances /
これらの進歩によって
have made Zoltraak /
ゾルトラークは
a death sentence no longer. /
もはや「死の魔法」ではなくなったのだ。

セリフ9:訓練の成果 ― フェルンの即応

防御の方の弱点に気づかれた。フェルン、対処できるよね?はい、練習でもう見ましたから。

He figured out the weakness of defensive magic.
Fern… you know what to do, don’t you?
Yes.
I remember from our practices.

🔤 語彙解説

figure out /ˈfɪɡ.ər aʊt/(句動詞):理解する、見抜く
→ 問題や仕組みを考え抜いて解明することを指します。
weakness /ˈwiːk.nəs/(名詞):弱点、弱さ
→ システムや戦法などの脆い部分を意味します。
you know what to do /juː nəʊ wɒt tuː duː/(表現):どうすればいいかわかってるよね
→ 信頼と確認を込めた言い回しで、行動を促す際によく使われます。
remember /rɪˈmem.bər/(動詞):思い出す、覚えている
→ 過去の経験や知識を現在に活かす際の基本動詞です。
practice /ˈpræk.tɪs/(名詞):練習、訓練
→ 習得のための反復行動。ここでは訓練シーンを指しています。

🧩 文法・構文解説

He figured out the weakness of defensive magic.
“figure out” は「見抜く・理解する」の口語表現。”the weakness of defensive magic” で「防御魔法の弱点」を指している。
Fern… you know what to do, don’t you?
“you know what to do” は「何をすべきか分かっているだろ?」という定型表現。”don’t you?” は付加疑問文で確認を促す。
Yes.
シンプルだが、状況理解と自信を示す返答。”I do.” の省略でもある。
I remember from our practices.
“from our practices” が記憶の出所を表す句で、「練習で見たから覚えている」というニュアンスを持つ。

📘 スラッシュリーディング訳

He figured out /
彼は見破った
the weakness of defensive magic. /
防御魔法の弱点を。

Fern… /
フェルン…
you know what to do, /
どうすればいいかわかってるね、
don’t you? /
でしょ?

Yes. / I remember /
はい。/ 私は覚えています
from our practices. /
訓練のときに見たことを。

セリフ10:信じるということ ― ヒンメルの残したもの

この村の人たちは、ヒンメルを信じていたんだ。よくわかりませんが……。ヒンメル様は、フリーレン様を信じていたのだと思いますよ。どうしたのですか?別に。

His prophecy came to pass.
Himmel is who they believed in.
I don’t understand exactly.
But it seems to me that the person Himmel believed in all this time was you.
What is it, Mistress?
Nothing.

🔤 語彙解説

prophecy /ˈprɒf.ə.si/(名詞):予言
→ 未来に起こることを予知・予言すること。宗教・物語でよく使われる語。
come to pass /kʌm tuː pɑːs/(表現):実現する、起こる
→ 「予言などが成就する」という文語的な言い回し。
believe in /bɪˈliːv ɪn/(表現):信じる、信頼する
→ 人の能力や存在、善意を信じるときに使います。
seems to me /siːmz tuː miː/(表現):私には〜のように思える
→ 個人の直感・感情に基づくやさしい言い方。
all this time /ɔːl ðɪs taɪm/(表現):ずっと、これまでずっと
→ 過去の長い時間の継続を表します。
nothing /ˈnʌθ.ɪŋ/(名詞):何でもない
→ 心を隠す・取り繕う返事として非常によく使われます。

🧩 文法・構文解説

His prophecy came to pass.
“come to pass” は「実現する/成就する」というやや文語的な表現。”prophecy” は「予言」。
Himmel is who they believed in.
関係代名詞 “who” を使った強調構文で、「彼らが信じたのはヒンメルだった」という意味。
I don’t understand exactly.
“exactly” は「正確には/よくは」の意味で、理解の不完全さをやわらかく示している。
But it seems to me that the person Himmel believed in all this time was you.
“it seems to me that…” で「私には〜のように思える」構文。”all this time” は「ずっと今まで」の継続を表す表現。
What is it, Mistress?
“What is it?” は「どうしたの?」という決まり文句。”Mistress” は丁寧な呼びかけ。
Nothing.
一言だけの返答で感情や余韻を含む。「なんでもない」の省略表現。

📘 スラッシュリーディング訳

His prophecy /
彼の予言は
came to pass. /
実現したんですね。

Himmel /
ヒンメルは
is who they believed in. /
この村の人たちが信じていた人です。

I don’t understand exactly. /
正確なことはよくわかりませんが……。

But it seems to me /
でも私にはそう思えるんです
that the person Himmel believed in /
ヒンメル様がずっと信じていた人は
all this time /
これまでずっと
was you. /
あなた、フリーレン様だったのだと。

What is it, Mistress? /
どうしたのですか?

Nothing. /
別に。

✨ まとめ:人の記憶と心を受け継ぐ旅

Frieren and Fern /
フリーレンとフェルンは /
continue their journey /
旅を続ける。
not just to collect magic, /
ただ魔法を集めるためではなく
but to follow the path /
歩んだ道をたどるため
left behind by Himmel and his companions. /
ヒンメルたちが残した足跡を。

As they pass through towns and villages, /
町や村を通る中で、
memories of the past resurface. /
過去の記憶がよみがえる。

Fern begins to understand Frieren’s heart, /
フェルンはフリーレンの心を
and Frieren, too, /
そしてフリーレンもまた
starts to recognize the feelings of others. /
他者の気持ちを少しずつ理解し始める。

The two face magical threats, /
ふたりは魔法の脅威に直面し、
but training and trust /
訓練と信頼を通じて
help them overcome danger. /
それらを乗り越えていく。

They are not just walking forward, /
彼女たちはただ前へ進んでいるのではない。
They are learning to connect with people /
人と心を通わせ、
and carry the memories /
そして記憶を受け継いでいく
that would otherwise fade away. /
消えてしまうはずだった記憶を。

🧠 Key Words & Phrases(重要語句)

pierce /pɪəs/(動詞):貫通する
→ 防御や障壁を突き抜ける攻撃や力を表す語です。
retrace /rɪˈtreɪs/(動詞):たどる、再び通る
→ かつての旅や記憶をもう一度辿る意味で使われます。
dense /dens/(形容詞):鈍い、空気が読めない
→ 人の感情に疎く、気づかない様子を表す表現です。
get to know /ɡet tə nəʊ/(表現):知るようになる
→ 時間をかけて理解したり、親しくなったりする過程を表す語。
offensive /əˈfen.sɪv/(形容詞):攻撃の、攻撃的な
→ 攻撃用の魔法や行動を指します。対義語は defensive。
death sentence /ˈdeθ ˌsen.təns/(名詞):死刑、死を意味するもの
→ ここでは比喩的に「確実に命を奪うもの」という意味で使われています。

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