【鋼の錬金術師 第1話】英語セリフで学ぶ:「等価交換」の重さと希望

セリフで学ぶ英語
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※本記事で使用している画像はすべて、アニメ『鋼の錬金術師』(第1話)より引用しています。セリフの英語学習および解説を目的としており、著作権はすべて©荒川弘/鋼の錬金術師製作委員会に帰属します。
  1. 🟦 あらすじ:禁忌を越えて歩き出す兄弟の覚悟
    1. 🔤 語彙解説
  2. セリフ1:君をここに呼び出した理由だ
      1. そうだ、彼がこのセントラルに潜入している。ロイ・マスタング大佐、その捕獲の指揮を君に任せたいのだよ。ご命令とあらば。いや、君がセントラルにいてくれてよかったよ。安心して任せられる。
      2. We have information that he managed to slip into Central a few days ago.That’s why I’ve summoned you here, Colonel.I need you and your men to smoke him out, and bring him in.Consider it done, sir.I’m glad you’re with us in Central for a while, Mustang.It’s good to know I have people here I can count on.
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  3. セリフ2:それでも怒るのが兄さんだ
      1. 兄さん、多分今のは背丈のことじゃないと思うよ。たとえそうであっても許さんわ!さすが鋼の錬金術師、エドワード・エルリックさん。
      2. You know, Brother, I don’t think he was really talking about your height just now.Well, even if he wasn’t he still pissed me off!So you’re the one we’ve been hearing all the stories about lately… The Fullmetal Alchemist!
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  4. セリフ3:英雄から反逆者へ
      1. イシュバール殲滅戦の時、我軍の一員として活躍した。戦後彼は、国家錬金術師の称号を返上し、さらには反体制運動に身を投じた。
      2. He served in the Ishvalan War…During that time, he gave us no signs that he’d turned traitor…But after.. he immediately resigned his commission and went into hiding…He’s been working with the antiestablishment movement ever since.
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  5. セリフ4:伝説の錬金術師に会えるなんて!
      1. おぉ、もしかして君たち、エルリック兄弟か?いやー、最年少の国家錬金術師に会えるとは光栄だな。
      2. You two are the Elric brothers, right?Uh—Wow, it’s an honor to finally meet the youngest State Alchemist ever.You’re a real legend around here…
    1. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    2. 📘 スラッシュリーディング訳
  6. セリフ5:鎧のまま…どうやって食べるの?
      1. アルフォンスは、鎧着たままだと食えないよな。え、こ、これはその。アルはいま、錬金術の修業中で。
      2. Alphonse, how’re you gonna eat wearing that armor? Take it off, relax!W-well, you see, uh…He’s not allowed to! He has to wear it all the time! It’s, uh– –It’s part of his alchemy training!
    1. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    2. 📘 スラッシュリーディング訳
  7. セリフ6:軍の犬と呼ばれるには若すぎる
      1. あの二人のことを考えていたんでしょ。国家錬金術師といえば、世間からは軍の犬なんて呼ばれている存在だ。あの年で、そんなのを背負わされていると思うとな。
      2. You’re worrying about those boys, aren’t you?You do know what they call State Alchemists, right?… the Dogs of the Military.–not exactly the most popular bunch…
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  8. セリフ7:時間がない、必ず見つけ出せ
      1. 報告によれば、アイザックは昨夜、中央刑務所に潜入した。事態は一刻の猶予もならない。必ず見つけ出せ。道路を封鎖し、あらゆる場所を探せ。
      2. We have a confirmed report that McDougal broke into Central Prison last night.Whatever he’s up to, he’s growing bold… That means our time is short.Close off all roads, search every square inch of the city.
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  9. セリフ8:知るかよ、そんなこと!
      1. 軍の犬、国家錬金術師よ。お前はこの国が何をしようとしているのか知っているのか。知るか!
      2. You’ve sworn your life to the state as a Dog of the Military…But do you really know the ones you serve? Or what their true plans are?Who cares?!
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  10. セリフ9:錬金術師最大の禁忌
      1. まさか、鎧に魂を定着させたというのか。腕を失い、弟は体が空っぽ。へっ、そうか。お前ら、禁忌を犯したな。錬金術師最大の禁忌、人体錬成をやったんだな。
      2. But that… that could only be true if his soul was bonded to the armor…So you lost your arm… and your brother… he lost his entire body…Heh! I see… it all makes sense… You fools committed the ultimate taboo!You attempted human transmutation, didn’t you?! –Alchemy’s one and only unforgiveable sin!
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  11. セリフ10:手柄は誰のもの?
      1. そりゃそうと、お手柄だったそうじゃねぇか。俺は錬成陣を破壊しただけだ。犯人は、大総統が倒された。その大総統が、お前の手柄と言っているんだ。
      2. From what I’m told, you’re the man of the hour!Nah, I just destroyed the transmutation circles…The Fuhrer is the one who actually brought down McDougal.Sure. But the Fuhrer’s telling everyone it was you.
    1. 🔤 語彙解説
    2. 🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説
    3. 📘 スラッシュリーディング訳
  12. 📝 まとめ:命を代価に始まる旅
    1. 🔤 重要語句

🟦 あらすじ:禁忌を越えて歩き出す兄弟の覚悟

Edward and Alphonse Elric / once lived peacefully with their beloved mother.
エドワードとアルフォンス・エルリックは / 愛する母と平穏に暮らしていた。
But their happiness / was shattered by her sudden death.
しかし彼らの幸せは / 母の突然の死によって打ち砕かれた。
In a desperate attempt / to bring her back, / the brothers committed a taboo: / human transmutation.
必死の試みにより / 母を蘇らせようとして / 二人は禁忌を犯した。 / それは人体錬成だった。
Their effort failed / and demanded a terrible price.
その試みは失敗し / 恐ろしい代償を伴った。
Edward lost his leg, / and Alphonse lost his entire body.
エドワードは脚を失い、 / アルフォンスは全身を失った。
To save his brother’s soul, / Edward sacrificed his arm / and bound Alphonse to a suit of armor.
弟の魂を救うために / エドワードは腕を犠牲にし / アルフォンスを鎧に定着させた。
Now, the Elric brothers / begin a long journey / to reclaim what they have lost.
いま、エルリック兄弟は / 長い旅を始める / 失ったものを取り戻すために。


🔤 語彙解説

beloved /bɪˈlʌvɪd/(形容詞):愛されている
 → 心から大切に思われている人や物を指します。感情的な響きを持つ語です。
taboo /təˈbuː/(名詞):禁忌
 → 社会や文化、宗教的に「絶対にしてはいけないこと」とされている行為です。
transmutation /ˌtrænzmjuːˈteɪʃən/(名詞):錬成、変化
 → 錬金術の用語で、物質を別のものに変えることを指します。
sacrifice /ˈsækrɪfaɪs/(動詞):犠牲にする
 → 他の誰かや何かのために、自分の大切なものを手放すこと。
armor /ˈɑːrmər/(名詞):鎧
 → 戦闘などで身を守るための金属製の防具。比喩的にも使われます。
reclaim /rɪˈkleɪm/(動詞):取り戻す
 → かつて持っていたものを再び自分の手に取り返すという意味合いです。

セリフ1:君をここに呼び出した理由だ

そうだ、彼がこのセントラルに潜入している。ロイ・マスタング大佐、その捕獲の指揮を君に任せたいのだよ。ご命令とあらば。いや、君がセントラルにいてくれてよかったよ。安心して任せられる。

We have information that he managed to slip into Central a few days ago.That’s why I’ve summoned you here, Colonel.I need you and your men to smoke him out, and bring him in.Consider it done, sir.I’m glad you’re with us in Central for a while, Mustang.It’s good to know I have people here I can count on.

🔤 語彙解説

summon /ˈsʌmən/(動詞):呼び出す
 → 公式に人を呼び寄せるときに使う、やや堅めの表現です。
smoke out /smoʊk aʊt/(動詞):炙り出す
 → 隠れている相手を追い出すときによく使われる口語表現です。
bring in /brɪŋ ɪn/(動詞):連行する
 → 容疑者などを拘束して連れてくる場面で使われます。
consider it done /kənˈsɪdər ɪt dʌn/(表現):承知しました
 → 「すぐやります」という強い意志を込めた即答フレーズです。
count on /kaʊnt ɑn/(動詞):頼りにする
 → 信頼して任せられる人に使います。
for a while /fər ə waɪl/(表現):しばらくの間
 → 一時的に、という時間の幅を持たせた言い方です。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】That’s why I’ve summoned you here は「だから君をここに呼んだ」という結果の理由説明。強調構文的に使われることも。
【2】Consider it done は定型フレーズ。「任されたことはすでに完了したと思ってください」という意味で、上官への即答に最適。
【3】I can count on は「信頼できる」と人間関係の信頼を表すポジティブな表現です。

📘 スラッシュリーディング訳

We have information /
私たちは情報を持っている。
that he managed to slip into Central a few days ago. /
彼が数日前にセントラルに忍び込んだという。
That’s why I’ve summoned you here, Colonel. /
だから君をここに呼び出したのだ、大佐。
I need you and your men /
君と君の部下が必要だ。
to smoke him out, and bring him in. /
彼を炙り出し、連行してきてほしい。
Consider it done, sir. /
承知いたしました。
I’m glad you’re with us in Central for a while, Mustang. /
マスタング、君がしばらくセントラルにいてくれて嬉しいよ。
It’s good to know /
〜だとわかっているのは心強い。
I have people here I can count on. /
ここには頼れる仲間がいると。

セリフ2:それでも怒るのが兄さんだ

兄さん、多分今のは背丈のことじゃないと思うよ。たとえそうであっても許さんわ!さすが鋼の錬金術師、エドワード・エルリックさん。

You know, Brother, I don’t think he was really talking about your height just now.Well, even if he wasn’t he still pissed me off!So you’re the one we’ve been hearing all the stories about lately… The Fullmetal Alchemist!

🔤 語彙解説

just now /dʒʌst naʊ/(表現):さっき、たった今
 → 数秒〜数分前の「ごく最近」の出来事に使います。
even if /ˈiːvən ɪf/(接続詞):たとえ〜でも
 → 仮定・逆接の文脈でよく使われる条件表現です。
piss off /pɪs ɔːf/(動詞):怒らせる
 → カジュアルで強めの表現。怒りや苛立ちを示す俗語です。
we’ve been hearing /wiːv bɪn ˈhɪrɪŋ/(現在完了進行形):聞き続けている
 → 過去から現在まで継続して話題に出ているニュアンス。
story /ˈstɔːri/(名詞):噂、話
 → 単なる物語ではなく「話題」や「評判」の意味でも使われます。
The Fullmetal Alchemist /ðə ˈfʊlˌmɛtl ˈælkəmɪst/(固有名詞):鋼の錬金術師
 → 主人公エドワード・エルリックの国家錬金術師としての通称。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】You know は会話で相手の注意を引く定番フレーズで「ねえ」「あのさ」に相当します。
【2】Even if he wasn’t… は「そうじゃなかったとしても」という仮定の逆説構文です。
【3】We’ve been hearing all the stories は現在完了進行形で、最近ずっと噂が広まっていたことを表しています。

📘 スラッシュリーディング訳

You know, Brother, /
ねえ、兄さん、
I don’t think he was really talking about your height just now. /
さっきの彼の発言、背丈のことを言ってたわけじゃないと思うよ。
Well, even if he wasn’t /
まあ、たとえ違っていたとしても、
he still pissed me off! /
それでもムカついたんだ!
So you’re the one /
ってことは君が、
we’ve been hearing all the stories about lately… /
最近いろんな話を耳にするあの人物か…
The Fullmetal Alchemist! /
鋼の錬金術師!

セリフ3:英雄から反逆者へ

イシュバール殲滅戦の時、我軍の一員として活躍した。戦後彼は、国家錬金術師の称号を返上し、さらには反体制運動に身を投じた。

He served in the Ishvalan War…During that time, he gave us no signs that he’d turned traitor…But after.. he immediately resigned his commission and went into hiding…He’s been working with the antiestablishment movement ever since.

🔤 語彙解説

serve /sɜːrv/(動詞):従軍する、勤務する
 → 軍隊や公的機関で働くことを意味します。
turn traitor /tɜrn ˈtreɪtər/(表現):裏切り者になる
 → 信頼を裏切って敵側につくこと。歴史や軍事の文脈で頻出。
resign /rɪˈzaɪn/(動詞):辞任する
 → 地位や職務を自ら手放すことを表します。
commission /kəˈmɪʃən/(名詞):任務、地位
 → 軍や政府から与えられた正式な任命・職権のこと。
go into hiding /ɡoʊ ˈɪntuː ˈhaɪdɪŋ/(表現):身を隠す
 → 捕まるのを避けて表舞台から姿を消すこと。
antiestablishment /ˌæntaɪɪˈstæblɪʃmənt/(形容詞/名詞):反体制的な(人)
 → 現政権や支配的な仕組みに反対する立場や行動を指します。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】He served in the Ishvalan War は「従軍した」ことを表すシンプルで重要な構文です。
【2】gave us no signs that… は「〜の兆しを一切見せなかった」という強調構文です。
【3】He’s been working with… ever since は現在完了進行形+ever sinceで「その時からずっと続いている行動」を表します。

📘 スラッシュリーディング訳

He served in the Ishvalan War… /
彼はイシュバール殲滅戦に従軍していた……。
During that time, /
その期間中は、
he gave us no signs /
我々に何の兆候も見せなかった。
that he’d turned traitor… /
彼が裏切り者になったという。
But after.. /
しかしその後……
he immediately resigned his commission /
彼は直ちに国家錬金術師を辞任し、
and went into hiding… /
姿を隠した。
He’s been working with the antiestablishment movement /
彼は反体制運動に関与し続けている。
ever since. /
それ以来、ずっと。

セリフ4:伝説の錬金術師に会えるなんて!

おぉ、もしかして君たち、エルリック兄弟か?いやー、最年少の国家錬金術師に会えるとは光栄だな。

You two are the Elric brothers, right?Uh—Wow, it’s an honor to finally meet the youngest State Alchemist ever.You’re a real legend around here…

🔤 語彙解説

honor /ˈɑːnər/(名詞):光栄、名誉
 → 誰かに会えた・招かれたことを嬉しく思うときの丁寧な表現。
finally /ˈfaɪnəli/(副詞):ついに、やっと
 → 長く待ったあとで何かが起こることを強調します。
State Alchemist /steɪt ˈælkəmɪst/(名詞):国家錬金術師
 → アメストリス国家に認定された公式な錬金術師。特別な称号です。
youngest /ˈjʌŋɡəst/(形容詞):最年少の
 → 「young」の最上級。「〜の中で一番若い」という意味。
legend /ˈledʒənd/(名詞):伝説、語り草
 → 偉大で印象的な人物を称える表現。「生きる伝説」のようなニュアンス。
around here /əˈraʊnd hɪr/(表現):このあたりで、ここらでは
 → 地域や周囲の人たちの間で、という意味で使われます。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】You two are the Elric brothers, right? は「〜ですよね?」と確認するカジュアルな表現。
【2】It’s an honor to meet… はフォーマルな挨拶で、初対面時によく使われます。
【3】You’re a real legend around here は「このあたりではすごく有名だ」という誉め言葉的な言い回しです。

📘 スラッシュリーディング訳

You two are the Elric brothers, right? /
君たちはエルリック兄弟だよね?
Uh—Wow, it’s an honor /
うわぁ、光栄だよ。
to finally meet the youngest State Alchemist ever. /
ついに最年少の国家錬金術師に会えるなんて。
You’re a real legend /
君はまさに伝説の人物だ。
around here… /
このあたりではね。

セリフ5:鎧のまま…どうやって食べるの?

アルフォンスは、鎧着たままだと食えないよな。え、こ、これはその。アルはいま、錬金術の修業中で。

Alphonse, how’re you gonna eat wearing that armor? Take it off, relax!W-well, you see, uh…He’s not allowed to! He has to wear it all the time! It’s, uh– –It’s part of his alchemy training!

🔤 語彙解説

armor /ˈɑːrmər/(名詞):鎧
 → 体を守る金属製の防具。ここではアルの“身体”でもあります。
how’re you gonna /ˈhaʊər jə ˈɡʌnə/(口語表現):どうやって〜するの?
 → “How are you going to” の省略形。カジュアルな会話でよく使います。
take off /ˈteɪk ɔːf/(動詞):脱ぐ、外す
 → 身につけている物を取り除く動作。服・帽子・鎧など。
relax /rɪˈlæks/(動詞):くつろぐ、リラックスする
 → 緊張を解く、気を休める意味で使われます。
not allowed to /nɒt əˈlaʊd tuː/(構文):〜してはいけない
 → 禁止・ルールにより許されていないことを表します。
alchemy training /ˈælkəmi ˈtreɪnɪŋ/(名詞句):錬金術の修業
 → 錬金術を学ぶための訓練。ファンタジー世界特有の設定。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】how’re you gonna eat は “How are you going to eat” の省略で、くだけた口語表現。
【2】He’s not allowed to! は禁止を表す強い否定の構文です。
【3】It’s part of his alchemy training! は「~の一環だ」という定番の説明型フレーズ。

📘 スラッシュリーディング訳

Alphonse, how’re you gonna eat /
アルフォンス、どうやって食べるんだよ、
wearing that armor? /
その鎧を着たままで?
Take it off, relax! /
脱いで、くつろげよ!
W-well, you see, uh… /
え、えっと、それはその……。
He’s not allowed to! /
彼は脱いじゃいけないんだ!
He has to wear it all the time! /
ずっと着てなきゃいけないの!
It’s, uh– –It’s part of his alchemy training! /
それは、あの……錬金術の修業の一環なんだよ!

セリフ6:軍の犬と呼ばれるには若すぎる

あの二人のことを考えていたんでしょ。国家錬金術師といえば、世間からは軍の犬なんて呼ばれている存在だ。あの年で、そんなのを背負わされていると思うとな。

You’re worrying about those boys, aren’t you?You do know what they call State Alchemists, right?… the Dogs of the Military.–not exactly the most popular bunch…

🔤 語彙解説

worry about /ˈwɜːri əˈbaʊt/(動詞):〜を心配する
 → 誰かや何かに対して不安や懸念を抱く表現です。
State Alchemist /steɪt ˈælkəmɪst/(名詞):国家錬金術師
 → 軍に所属する錬金術師の正式な称号です。
dog /dɔːɡ/(名詞):犬(比喩的)
 → 軍の命令に従う「忠実すぎる者」を侮蔑的に表すこともあります。
not exactly /nɒt ɪɡˈzæktli/(表現):〜というわけではない
 → 皮肉や遠回しの否定を込めて使われる表現です。
popular /ˈpɒpjələr/(形容詞):人気のある
 → 多くの人から好かれているという意味。ここでは逆の意味で使われています。
bunch /bʌntʃ/(名詞):連中、一団
 → 仲間や集団をカジュアルに指す語。肯定にも否定にも使われます。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】You’re worrying about those boys, aren’t you? は、現在進行形+付加疑問で「〜してるでしょ?」と確認する言い回しです。
【2】You do know… は “do” によって強調された疑問文で「君はちゃんとわかってるよね?」というニュアンスになります。
【3】not exactly the most popular bunch は、皮肉や遠回しの否定で「とても人気があるわけじゃない=嫌われている」という意味になります。

📘 スラッシュリーディング訳

You’re worrying about those boys, aren’t you? /
君はあの子たちのことを考えていたんでしょ?
You do know what they call State Alchemists, right? /
国家錬金術師がどう呼ばれているか、君も知っているだろ?
… the Dogs of the Military. /
… 軍の犬、さ。
–not exactly the most popular bunch… /
あまり好かれている連中とは言えないがね…。

セリフ7:時間がない、必ず見つけ出せ

報告によれば、アイザックは昨夜、中央刑務所に潜入した。事態は一刻の猶予もならない。必ず見つけ出せ。道路を封鎖し、あらゆる場所を探せ。

We have a confirmed report that McDougal broke into Central Prison last night.Whatever he’s up to, he’s growing bold… That means our time is short.Close off all roads, search every square inch of the city.

🔤 語彙解説

confirmed /kənˈfɜːrmd/(形容詞):確認された
 → 情報や報告が公式に裏付けられていること。
break into /breɪk ˈɪntuː/(動詞):侵入する
 → 無断で建物などに入ることを意味します。
up to /ˈʌp tuː/(表現):何かをたくらんでいる
 → 「何かよからぬことをしている」という含みのある表現。
bold /boʊld/(形容詞):大胆な
 → 恐れずに行動する、または図々しいニュアンスも持ちます。
square inch /skwɛər ɪntʃ/(名詞句):平方インチ
 → 「都市のすみずみまで」を強調する比喩表現。
close off /kloʊz ɔːf/(動詞):封鎖する
 → 道路や空間を遮断する行動を表します。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】We have a confirmed report that… は「〜という確かな報告がある」という公式的な文型です。
【2】Whatever he’s up to は「彼が何をしていようと」という意味で、敵の行動に対する警戒感を表します。
【3】search every square inch は「隅から隅まで探せ」という誇張表現で、非常に丁寧な命令口調に使われます。

📘 スラッシュリーディング訳

We have a confirmed report /
我々には確認された報告がある。
that McDougal broke into Central Prison last night. /
マクドゥーガルが昨夜、中央刑務所に侵入したという。
Whatever he’s up to, /
彼が何をたくらんでいようと、
he’s growing bold… /
ますます大胆になっている…。
That means our time is short. /
つまり我々に残された時間は少ない。
Close off all roads, /
すべての道路を封鎖しろ。
search every square inch of the city. /
街中すみずみまで探せ。

セリフ8:知るかよ、そんなこと!

軍の犬、国家錬金術師よ。お前はこの国が何をしようとしているのか知っているのか。知るか!

You’ve sworn your life to the state as a Dog of the Military…But do you really know the ones you serve? Or what their true plans are?Who cares?!

🔤 語彙解説

swear /swɛr/(動詞):誓う
 → 重大な約束や忠誠を強く約束するときに使います。
serve /sɜːrv/(動詞):仕える、従う
 → 国家や組織などに忠誠を尽くすことを指します。
the ones you serve /ðə wʌnz ju sɜːrv/(表現):お前が仕えている者たち
 → 特定の上層部や権力者を指す間接的な言い方。
true plans /truː plænz/(名詞):本当の計画
 → 表向きと異なる、隠された目的を含意します。
Dog of the Military /dɔːɡ əv ðə ˈmɪlɪˌtɛri/(表現):軍の犬
 → 軍に従属し、命令に従うだけの存在という侮蔑的表現。
Who cares /huː kɛrz/(表現):知るかよ!
 → 関心のなさや怒り・反発を込めた表現。カジュアルで強め。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】You’ve sworn your life to… は「命を捧げて仕えている」という強い誓いを表します。
【2】do you really know the ones you serve? は「本当に理解しているのか?」という問いかけと疑念の構文です。
【3】Who cares?! は感情的な反発を表す強い切り返しで、「そんなの知るか!」のニュアンスになります。

📘 スラッシュリーディング訳

You’ve sworn your life /
お前は命を誓った。
to the state /
国家に。
as a Dog of the Military… /
軍の犬として…。
But do you really know /
だが本当にわかっているのか?
the ones you serve? /
お前が仕えている者たちを。
Or what their true plans are? /
あるいは、彼らの真の計画を。
Who cares?! /
そんなの知るか!

セリフ9:錬金術師最大の禁忌

まさか、鎧に魂を定着させたというのか。腕を失い、弟は体が空っぽ。へっ、そうか。お前ら、禁忌を犯したな。錬金術師最大の禁忌、人体錬成をやったんだな。

But that… that could only be true if his soul was bonded to the armor…So you lost your arm… and your brother… he lost his entire body…Heh! I see… it all makes sense… You fools committed the ultimate taboo!You attempted human transmutation, didn’t you?! –Alchemy’s one and only unforgiveable sin!

🔤 語彙解説

bond /bɑːnd/(動詞):結びつける、定着させる
 → ここでは魂を物体に「縛りつける」という特殊な意味。
entire /ɪnˈtaɪər/(形容詞):全体の、すべての
 → 体全体や一部を強調するときに使われます。
make sense /meɪk sɛns/(表現):筋が通る、納得がいく
 → 物事の理由や関係がはっきりして理解できること。
taboo /təˈbuː/(名詞):禁忌
 → 社会や道徳的に「してはいけない」とされる行為。
human transmutation /ˈhjuːmən ˌtrænz.mjuːˈteɪ.ʃən/(名詞):人体錬成
 → 死者の蘇生など、人間の体を錬成する行為。禁じられた術。
unforgiveable /ˌʌnfərˈɡɪvəbəl/(形容詞):許されざる
 → 絶対に容認されない重大な過ちを表す語。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】his soul was bonded to the armor は受け身構文で「魂が鎧に縛り付けられている」という状態を表します。
【2】make sense は「すべての点がつながる」→「納得できる」という口語的な表現です。
【3】You attempted human transmutation, didn’t you?! は付加疑問で相手を強く追及する効果があります。

📘 スラッシュリーディング訳

But that… /
だが、それは…
that could only be true /
それが本当だというのなら、
if his soul was bonded to the armor… /
彼の魂が鎧に定着しているということになる…。
So you lost your arm… /
それで君は腕を失い…
and your brother… /
そして弟は…
he lost his entire body… /
体そのものを失った…。
Heh! I see… it all makes sense… /
へっ、そうか…すべて繋がったぞ…。
You fools committed the ultimate taboo! /
お前たち、究極の禁忌を犯したな!
You attempted human transmutation, didn’t you?! /
人体錬成を試みたんだろう?!
–Alchemy’s one and only unforgiveable sin! /
錬金術における、唯一にして絶対に許されない罪だ!

セリフ10:手柄は誰のもの?

そりゃそうと、お手柄だったそうじゃねぇか。俺は錬成陣を破壊しただけだ。犯人は、大総統が倒された。その大総統が、お前の手柄と言っているんだ。

From what I’m told, you’re the man of the hour!Nah, I just destroyed the transmutation circles…The Fuhrer is the one who actually brought down McDougal.Sure. But the Fuhrer’s telling everyone it was you.

🔤 語彙解説

from what I’m told /frəm wɒt aɪm təʊld/(表現):聞くところによると
 → 噂や報告を根拠に話すときの導入句。
man of the hour /mæn əv ði ˈaʊər/(表現):時の人、注目の人物
 → 話題の中心にいる人、功績で称えられている人物。
destroy /dɪˈstrɔɪ/(動詞):破壊する
 → 完全に壊すこと。ここでは「錬成陣」を指します。
transmutation circle /ˌtrænz.mjuːˈteɪ.ʃən ˈsɜːrkəl/(名詞):錬成陣
 → 錬金術に用いる魔法陣のような図形。
bring down /brɪŋ daʊn/(動詞):倒す、打ち負かす
 → 犯人や敵を倒すときに使われる表現。
tell everyone /tɛl ˈɛvriˌwʌn/(動詞句):皆に言う
 → 他人に広めていることを指すフレーズ。

🧠 文法・構文・訳しにくい点の解説

【1】You’re the man of the hour は「今注目されてる人」という意味の定番イディオムです。
【2】I just destroyed… は謙遜表現で、自分の行動を小さく見せる言い回しです。
【3】The Fuhrer’s telling everyone… は現在進行形で「今まさに皆にそう言っている」というニュアンスを強調しています。

📘 スラッシュリーディング訳

From what I’m told, /
聞くところによると、
you’re the man of the hour! /
今まさに時の人ってわけだな!
Nah, /
いや、
I just destroyed the transmutation circles… /
俺は錬成陣を壊しただけさ…。
The Fuhrer is the one /
犯人を倒したのは、
who actually brought down McDougal. /
大総統の方だったよ。
Sure. /
まあな。
But the Fuhrer’s telling everyone /
でも大総統が皆に言ってるんだ、
it was you. /
お前の手柄だってな。


📝 まとめ:命を代価に始まる旅

The Elric brothers /
エルリック兄弟は
once lived a peaceful life /
かつては平穏な生活を送っていた
with their mother in a small town. /
母と一緒に小さな町で。
But her sudden death /
だが彼女の突然の死が
drove them to attempt /
彼らを突き動かした
the forbidden art of human transmutation. /
人体錬成という禁忌に。
The result was catastrophic. /
その結果は壊滅的だった。
Edward lost an arm and a leg, /
エドワードは腕と脚を失い、
and Alphonse lost his entire body. /
アルフォンスは体そのものを失った。
In desperation, /
絶望の中で
Edward bonded Alphonse’s soul /
エドワードはアルフォンスの魂を
to a suit of armor. /
鎧に定着させた。
Now, marked by their past mistakes, /
過去の過ちを背負いながら、
they begin a journey /
彼らは旅を始める
to reclaim their lost bodies /
失われた身体を取り戻すために
and learn the true cost /
そして学ぶために
of challenging the laws of nature. /
自然の理に逆らうことの本当の代償を。


🔤 重要語句

forbidden /fərˈbɪdn/(形容詞):禁じられた
 → 法律や道徳で「してはならない」とされることを意味します。
catastrophic /ˌkætəˈstrɒfɪk/(形容詞):壊滅的な
 → 結果が非常に深刻で破滅的なこと。
bond /bɒnd/(動詞):結びつける、定着させる
 → 魂や人をある対象と物理的・精神的に繋げるときに使われます。
armor /ˈɑːrmər/(名詞):鎧
 → 戦いや防御のために身にまとう金属製の装備。
reclaim /rɪˈkleɪm/(動詞):取り戻す
 → 失ったものをもう一度手に入れようとする行為を指します。
laws of nature /lɔːz əv ˈneɪtʃər/(名詞句):自然の法則
 → 世界を支配する原理や理論を指し、錬金術では重要なテーマです。

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