
- フリーレン様は、どうしようもない程に鈍い方のようなので、はっきりと伝えます。あなたが私を知ろうとしてくれたことが、たまらなくうれしいのです。知ろうとしただけなのに?フリーレン様は本当に人の感情がわかっていませんね。
- Very well, and because you’re hopelessly dense when it comes to these things, allow me to be clear.I am overjoyed that you’re trying to get to know me.That is a gift in itself.Simply trying means that much?Maybe we should find you a spell for understanding people’s feelings.
- ところでフリーレン様、この旅って何か目的はあるんですか?特にないよ。魔法収集の趣味の旅だからね。でも、できる限りはヒンメルたちとの冒険の痕跡をたどっていきたいかな。風化する前にね。
- Tell me the truth, Mistress.Does our journey have a notable purpose this time?Not especially.Hopefully, we’ll be able to find some decent spells, though.That, and whenever possible, I’d like to retrace the adventures I had with Himmel and the others.
- 防御魔法の練習ばかりですね。生存率に直結するからね。確かに、防御魔法一つでほとんどの攻撃魔法が防げますからね。強力すぎて不思議です。
- We’ve been practicing nothing but defense for ages.Yes, to improve your odds of survival.I guess that makes sense.Being able to cast one defensive spell can protect you from most every offensive spell.It’s eerie how powerful they are.
- 人類の防御魔法は、もちろん装備の魔法耐性さえも貫通し、人体を直接破壊する魔法だ。この地方では、冒険者の4割、魔法使いに至っては7割が、ゾルトラークによって殺されたと言われている。
- It can pierce not only defensive spells, but the most durable magic-resistant armors.It directly targets and destroys the body.It is said that in this region, 40 percent of their adventurers and 70 percent of their mages were killed by Zoltraak.
- 大陸中の魔法使いが、ゾルトラークをこぞって研究・解析した。わずか数年で、ゾルトラークは人類の魔法体系に組み込まれた。新しい防御術式による強力な防御魔法が開発された。装備による魔法耐性も格段に向上した。ゾルトラークは人を殺す魔法ではなくなった。
- Mages across the land studied and analyzed Zoltraak until they had a complete understanding of it.In just a few years, your work was incorporated into humankind’s magic system.New defensive spells with power like none before were developed in response.The magic resistance offered by equipment has improved significantly as well.These advances have made Zoltraak a death sentence no longer.
あらすじ:英語で読む再出発と心の距離
Frieren and Fern /
フリーレンとフェルンは /
set off on their journey together /
共に旅立つ。
after saying goodbye to Heiter. /
ハイターに別れを告げたあとで。
Their destination /
ふたりの目的地は、
is a place where rare grimoires are kept /
珍しい魔導書が保管されている場所であり、
and trials await them. /
そこでは試練が彼女たちを待っている。
Along the way, /
旅の途中で、
they stop in a village /
ふたりはある村に立ち寄る。
where people speak of the hero Himmel. /
そこでは人々が勇者ヒンメルの話をしていた。
Frieren begins to realize /
フリーレンは徐々に気づき始める、
how little she understood /
自分がどれほど
about Himmel’s emotions and humanity. /
ヒンメルの感情や人間性を理解していなかったかを。
Fern quietly watches /
フェルンは静かに見守る、
as Frieren reflects on her past /
過去を振り返るフリーレンの姿を。
and slowly opens up emotionally. /
そして少しずつ感情を表に出すようになる様子を。
Their journey is no longer just about magic, /
彼女たちの旅は、もはや魔法のためだけのものではない。
but about understanding others /
他者を理解し、
and preserving memories /
記憶を守り続けることへと
that would otherwise be forgotten. /
忘れられてしまうはずだった記憶を。
🔤 語彙解説
grimoire /ˈɡrɪm.wɑːr/(名詞):魔導書
→ 魔法に関する知識や呪文が書かれた古文書や書物のことです。ファンタジー作品でよく使われます。
trial /ˈtraɪ.əl/(名詞):試練、困難
→ 乗り越えるべきテストや難題。精神的にも肉体的にも困難な状況を指します。
emotion /ɪˈməʊ.ʃən/(名詞):感情
→ 喜び・悲しみ・怒りなど、人間の内面の気持ち全般を表します。
reflect /rɪˈflekt/(動詞):振り返る、内省する
→ 過去の出来事や感情を思い返し、自分の中で考えることを意味します。
preserve /prɪˈzɜːv/(動詞):守る、保存する
→ 消えてしまわないように大切に保つこと。記憶や文化、自然などに対してよく使います。
humanity /hjuːˈmæn.ə.ti/(名詞):人間らしさ、人間性
→ 思いやりや弱さ、温かさといった人間らしい特徴を表す抽象的な語です。
セリフ1:顔を見ればわかる ― フェルンの鋭い勘

これ、私に何か隠している時の顔だ。フリーレン様との付き合いは長い。こういう時はろくなことがない。決まって、余計な物を買ってくるんだ。
Great. That’s the face she makes when she’s hiding something from me.I’ve known Mistress Frieren for a long time.Nothing good happens when she makes that face.She’s plotting to buy something we don’t need.
🔤 語彙解説
plot /plɒt/(動詞):たくらむ、企む
→ 密かに何かを計画すること。悪意がなくても使える語です。
hide /haɪd/(動詞):隠す、隠れる
→ 物や情報、気持ちなどを人から見えなくすること。
nothing good /ˈnʌθ.ɪŋ ɡʊd/(表現):ろくなことがない
→ 否定的な予感や結果を表す口語的な言い回しです。
face /feɪs/(名詞):顔、表情
→ 顔そのもののほかに「顔つき」「表情」の意味も持ちます。
know /nəʊ/(動詞):知っている、親しい
→ 「長く知っている」は「よく理解している」という意味にもなります。
we don’t need /wiː dəʊnt niːd/(表現):不要なもの
→ 「必要ないもの」として物や情報を指します。
🧩 文法・構文解説
【1】“That’s the face she makes when ~” は「〜のときに彼女がする顔」という関係代名詞の構文です。
【2】“I’ve known ~ for a long time.” は現在完了形+期間の定番表現で、「ずっと知っている」という意味です。
【3】“She’s plotting to buy ~” は be動詞+動詞-ing で進行中の企みを表し、軽いユーモアや皮肉を含みます。
📘 スラッシュリーディング訳
Great. /
やれやれ。
That’s the face /
あれは表情だ
she makes /
彼女が見せる
when she’s hiding something from me. /
私に何かを隠しているときの。
I’ve known Mistress Frieren /
私はフリーレン様を知っている
for a long time. /
長い付き合いだから。
Nothing good happens /
ろくなことは起きない
when she makes that face. /
彼女があの顔をしているときには。
She’s plotting /
彼女は企んでいる
to buy something /
何かを買おうと
we don’t need. /
私たちには不要なものを。
セリフ2:初めて見る顔 ― フリーレンの「悩み」

え、何その顔?私、フリーレン様のあんなに悩んでる顔、見たことないんだけど。
Huh?! What’s that face?In all these years, I’ve never seen Mistress Frieren look so troubled before.
🔤 語彙解説
huh /hʌ/(間投詞):えっ?
→ 驚きや困惑を表すカジュアルな口語表現。日本語の「えっ?」に近い。
troubled /ˈtrʌb.əld/(形容詞):悩んでいる、不安そうな
→ 心配や葛藤を抱えている様子を指す形容詞。
in all these years /ɪn ɔːl ðiːz jɪəz/(表現):これまでの長い年月の中で
→ 長期間を通じてという強調的な表現。
never /ˈnev.ər/(副詞):一度も〜ない
→ 完全な否定。現在完了形とよく組み合わされる。
look /lʊk/(動詞):〜のように見える
→ 状態や印象を表す動詞。「見える」だけでなく「感じ取る」意味もある。
before /bɪˈfɔːr/(副詞):以前に、これまでに
→ 「今までの中で一度もなかった」という意味で強調に使う。
🧩 文法・構文解説
【1】“What’s that face?” は直訳すると「何その顔?」で、相手の表情に驚いた時の口語的な言い回し。
【2】“I’ve never seen ~ before” は、「これまで一度も見たことがない」という強い現在完了の否定表現です。
【3】“look so troubled” は「とても悩んでいるように見える」という構文で、look + 形容詞の基本形。
📘 スラッシュリーディング訳
Huh?! /
えっ?!
What’s that face? /
何その顔?
In all these years, /
これまでずっと一緒にいて
I’ve never seen Mistress Frieren /
私はフリーレン様のことを一度も見たことがない
look so troubled before. /
あんなに悩んでいるような姿は。
セリフ3:心の距離 ― わかり合う努力

何年一緒に旅をしていると思っているんだ。なんとなく、わかるさ。私は、みんなのこと何もわからない。なら、知ってもらえるように頑張るとするかな。
You travel with someone for years, and you pick up on things.I can just tell with you.I can’t tell what any of you are thinking.Then we should put in more effort so you can get to know us better.
🔤 語彙解説
pick up on /pɪk ʌp ɒn/(表現):気づく、察する
→ 言葉にならない感情や雰囲気を読み取るときによく使います。
tell /tel/(動詞):わかる、見分ける
→ 「can tell」で「判断できる」「わかる」という意味。
effort /ˈef.ət/(名詞):努力
→ 目的のために頑張る行為を表します。
get to know /ɡet tə nəʊ/(表現):〜を知るようになる
→ 時間をかけて誰かを理解する、親しくなるという意味です。
any of you /ˈɛ.ni əv juː/(表現):あなたたちの誰か
→ 否定文で使うと「誰一人として〜ない」のニュアンスになります。
better /ˈbet.ər/(副詞):よりよく
→ 比較級として「もっと上手に」「もっと深く」などの意味で使われます。
🧩 文法・構文解説
【1】“You travel with someone for years, and ~” は、「長く一緒にいれば〜になる」という因果の構文。
【2】“I can’t tell what any of you are thinking.” は、疑問詞+名詞節の構文で「誰の考えていることもわからない」という強い否定です。
【3】“we should put in more effort” は「もっと努力するべきだ」という提案表現。“put in” は「注ぐ、投入する」という意味の句動詞。
📘 スラッシュリーディング訳
You travel with someone for years, /
何年も誰かと旅をすれば、
and you pick up on things. /
なんとなくわかるようになるんだ。
I can just tell with you. /
君のことは、なんとなくわかるんだよ。
I can’t tell /
私はわからない
what any of you are thinking. /
君たちが何を考えているのか、誰一人として。
Then we should put in more effort /
なら、私たちがもっと努力しよう
so you can get to know us better. /
君が私たちをもっとよく知れるように。
セリフ4:伝わらないから、伝える ― フェルンの素直な気持ち

フリーレン様は、どうしようもない程に鈍い方のようなので、はっきりと伝えます。あなたが私を知ろうとしてくれたことが、たまらなくうれしいのです。知ろうとしただけなのに?フリーレン様は本当に人の感情がわかっていませんね。
Very well, and because you’re hopelessly dense when it comes to these things, allow me to be clear.I am overjoyed that you’re trying to get to know me.That is a gift in itself.Simply trying means that much?Maybe we should find you a spell for understanding people’s feelings.
🔤 語彙解説
hopelessly /ˈhəʊp.ləs.li/(副詞):どうしようもなく、救いようがなく
→ 状態が非常に深刻または手の施しようがないときに使われます。
dense /dens/(形容詞):鈍感な
→ 皮肉を込めて「空気が読めない」「察しが悪い」という意味になります。
overjoyed /ˌəʊ.vəˈdʒɔɪd/(形容詞):とてもうれしい、感激している
→ 単なる「うれしい(happy)」より強い喜びを表す語です。
gift /ɡɪft/(名詞):贈り物、喜び
→ 物理的なプレゼントだけでなく、行為や感情の価値を指すこともあります。
simply /ˈsɪm.pli/(副詞):単に、ただ
→ 動作や事実が「それだけでも十分」だということを強調します。
spell /spel/(名詞):呪文、魔法
→ 魔法の言葉・術のこと。ここではユーモアを込めた表現。
🧩 文法・構文解説
【1】“because you’re hopelessly dense when it comes to ~” は、「〜のことになるととても鈍いから」という皮肉を込めた構文。
【2】“That is a gift in itself.” は「それ自体が贈り物だ」という強調構文。「in itself」で「それ自体は」という意味。
【3】“Maybe we should find you a spell for ~” は、冗談めかした表現で「〜のための魔法を見つけるべきかも」という提案的構文。
📘 スラッシュリーディング訳
Very well, /
よろしいですか、
and because you’re hopelessly dense /
あなたはどうしようもなく鈍いので
when it comes to these things, /
こういうことに関しては、
allow me to be clear. /
はっきりと言わせていただきます。
I am overjoyed /
私はとても嬉しいのです
that you’re trying to get to know me. /
あなたが私を知ろうとしてくれたことが。
That is a gift in itself. /
それ自体が、私にとっての贈り物です。
Simply trying /
ただ知ろうとするだけで
means that much? /
そんなに価値があるの?
Maybe we should find you a spell /
あなたには魔法が必要かもしれませんね
for understanding people’s feelings. /
人の気持ちを理解するための。
セリフ5:風化する前に ― 旅に込めた静かな願い

ところでフリーレン様、この旅って何か目的はあるんですか?特にないよ。魔法収集の趣味の旅だからね。でも、できる限りはヒンメルたちとの冒険の痕跡をたどっていきたいかな。風化する前にね。
Tell me the truth, Mistress.Does our journey have a notable purpose this time?Not especially.Hopefully, we’ll be able to find some decent spells, though.That, and whenever possible, I’d like to retrace the adventures I had with Himmel and the others.
🔤 語彙解説
notable /ˈnəʊ.tə.bəl/(形容詞):注目すべき、特別な
→ 普段とは違う意味のあることや目立つものを指す語です。
hopefully /ˈhəʊp.fəl.i/(副詞):うまくいけば、願わくば
→ 話し手の希望をやわらかく表すときに使います。
decent /ˈdiː.sənt/(形容詞):まともな、良質な
→ 完璧ではなくても「十分に良い」というニュアンスのある表現です。
retrace /rɪˈtreɪs/(動詞):(足跡・道筋を)たどる
→ 過去に訪れた場所や体験をもう一度追体験すること。
adventure /ədˈven.tʃər/(名詞):冒険、冒険の旅
→ 危険や未知を含む特別な体験・旅のこと。
purpose /ˈpɜː.pəs/(名詞):目的、意図
→ なぜそれをするのかという理由や目標を意味します。
🧩 文法・構文解説
【1】“Tell me the truth.” は、「正直に言ってください」という口語的で率直な要求表現です。
【2】“Not especially.” は完全な文ではなく、「特にない」という省略的かつカジュアルな返答です。
【3】“That, and whenever possible, I’d like to retrace ~” は、「それと、できる限り〜したい」という希望を丁寧に述べる複合構文です。
📘 スラッシュリーディング訳
Tell me the truth, Mistress. /
正直に教えてください、フリーレン様。
Does our journey /
私たちの旅には
have a notable purpose this time? /
今回は特別な目的があるのですか?
Not especially. /
特にないよ。
Hopefully, /
うまくいけば、
we’ll be able to find /
見つけられるといいな
some decent spells, though. /
そこそこ良い魔法でも。
That, and whenever possible, /
それと、できるかぎり、
I’d like to retrace /
たどっていきたいんだ
the adventures I had /
かつて体験した冒険を
with Himmel and the others. /
ヒンメルたちと一緒に。
セリフ6:守りの魔法 ― 生き残るための優先順位

防御魔法の練習ばかりですね。生存率に直結するからね。確かに、防御魔法一つでほとんどの攻撃魔法が防げますからね。強力すぎて不思議です。
We’ve been practicing nothing but defense for ages.Yes, to improve your odds of survival.I guess that makes sense.Being able to cast one defensive spell can protect you from most every offensive spell.It’s eerie how powerful they are.
🔤 語彙解説
practice /ˈpræk.tɪs/(動詞):練習する、訓練する
→ 技術を身につけるために繰り返し行うこと。
odds /ɒdz/(名詞):可能性、確率
→ 「odds of survival」で「生存の可能性・率」を意味します。
offensive /əˈfen.sɪv/(形容詞):攻撃的な
→ 攻撃を仕掛ける側の行動・魔法・態度などに使います。
defensive /dɪˈfen.sɪv/(形容詞):防御の
→ 攻撃から身を守ることに関する言葉。
eerie /ˈɪə.ri/(形容詞):不気味な、ぞっとするような
→ 説明がつかないほど強力だったり、不自然に感じるときに使います。
for ages /fər ˈeɪ.dʒɪz/(表現):長い間、ずっと
→ 口語的に「もう何年もずっと」という強調表現。
🧩 文法・構文解説
【1】“nothing but defense” は「防御ばかり」という「〜しか〜ない」の強調構文。
【2】“to improve your odds of survival” は不定詞の目的表現。「生き延びる可能性を高めるために」という意味。
【3】“It’s eerie how powerful they are.” は how節を使った感嘆構文で、「どれほど〜かが不気味だ」という言い回し。
📘 スラッシュリーディング訳
We’ve been practicing /
私たちは練習してばかりですね
nothing but defense /
防御魔法ばかりを
for ages. /
ずっと長い間。
Yes, /
そうだね、
to improve your odds of survival. /
生き残る確率を上げるためだよ。
I guess that makes sense. /
確かに、それは理にかなっています。
Being able to cast /
詠唱できることは
one defensive spell /
たった一つの防御魔法を
can protect you /
守ってくれるんです
from most every offensive spell. /
ほとんどすべての攻撃魔法から。
It’s eerie /
不思議な感じがしますね
how powerful they are. /
それほど強力だなんて。
セリフ7:ゾルトラークの脅威 ― 防御をも貫く魔法

人類の防御魔法は、もちろん装備の魔法耐性さえも貫通し、人体を直接破壊する魔法だ。この地方では、冒険者の4割、魔法使いに至っては7割が、ゾルトラークによって殺されたと言われている。
It can pierce not only defensive spells, but the most durable magic-resistant armors.It directly targets and destroys the body.It is said that in this region, 40 percent of their adventurers and 70 percent of their mages were killed by Zoltraak.
🔤 語彙解説
pierce /pɪəs/(動詞):貫通する、突き刺す
→ 防御や壁を突き破って通るイメージ。魔法や攻撃に頻出。
durable /ˈdjʊə.rə.bəl/(形容詞):耐久性のある、丈夫な
→ 長持ちし、壊れにくい特性を表します。
magic-resistant /ˈmædʒ.ɪk rɪˈzɪs.tənt/(形容詞句):魔法に耐性のある
→ 魔法攻撃に強い、あるいは効きにくい性質を持つこと。
target /ˈtɑː.ɡɪt/(動詞):狙う、標的にする
→ 攻撃や関心を特定の対象に向ける行為。
region /ˈriː.dʒən/(名詞):地域、地方
→ 地理的な場所を指す一般的な語。
be killed by /biː ˈkɪld baɪ/(受動態):〜によって殺される
→ 行為の主体を明確にした受け身表現。
🧩 文法・構文解説
【1】“not only A, but B” は「AだけでなくBも」という構文。ここでは魔法→装備の順に強調しています。
【2】“targets and destroys the body” は動詞を並列した構文で、「狙って破壊する」という直接的な意味になります。
【3】“It is said that ~” は「〜と言われている」という客観的な伝聞表現。
📘 スラッシュリーディング訳
It can pierce /
それは貫通することができる
not only defensive spells, /
防御魔法だけでなく
but the most durable /
最も耐久性のある
magic-resistant armors. /
魔法耐性を持つ装備さえも。
It directly targets /
それは直接的に狙いを定め
and destroys the body. /
身体を破壊するんだ。
It is said /
〜と言われている
that in this region, /
この地方では
40 percent of their adventurers /
冒険者の4割と
and 70 percent of their mages /
魔法使いの7割が
were killed by Zoltraak. /
ゾルトラークによって殺されたと。
セリフ8:恐怖から体系へ ― ゾルトラークと人類の進化

大陸中の魔法使いが、ゾルトラークをこぞって研究・解析した。わずか数年で、ゾルトラークは人類の魔法体系に組み込まれた。新しい防御術式による強力な防御魔法が開発された。装備による魔法耐性も格段に向上した。ゾルトラークは人を殺す魔法ではなくなった。
Mages across the land studied and analyzed Zoltraak until they had a complete understanding of it.In just a few years, your work was incorporated into humankind’s magic system.New defensive spells with power like none before were developed in response.The magic resistance offered by equipment has improved significantly as well.These advances have made Zoltraak a death sentence no longer.
🔤 語彙解説
analyze /ˈæn.əl.aɪz/(動詞):分析する
→ 仕組みや構造を細かく調べて理解すること。
incorporate /ɪnˈkɔː.pər.eɪt/(動詞):組み込む、取り入れる
→ あるシステムや仕組みの一部として統合すること。
in response /ɪn rɪˈspɒns/(表現):対応して、反応として
→ 前の出来事に対する対策や返答という意味合いを持つ表現。
significantly /sɪɡˈnɪf.ɪ.kənt.li/(副詞):大幅に、著しく
→ 数値的・質的に大きな変化や改善があった場合に使う。
advance /ədˈvɑːns/(名詞):進歩、進展
→ 技術や知識の前進・発展を意味する。
death sentence /ˈdeθ ˌsen.təns/(名詞):死刑判決、死を意味するもの
→ ここでは比喩として「確実に死に至るもの」という意味で使用。
🧩 文法・構文解説
【1】“until they had a complete understanding of it” は「完全に理解するまで」という完了のニュアンスを持つ過去完了。
【2】“was incorporated into ~” は受け身表現で、「〜に組み込まれた」という客観的な事実を述べています。
【3】“a death sentence no longer” は倒置的な構文で、「もはや死を意味するものではない」という強調表現です。
📘 スラッシュリーディング訳
Mages across the land /
大陸中の魔法使いたちが
studied and analyzed Zoltraak /
ゾルトラークを研究・解析した
until they had a complete understanding of it. /
完全に理解するまで。
In just a few years, /
わずか数年で
your work was incorporated /
その研究成果は取り入れられた
into humankind’s magic system. /
人類の魔法体系に。
New defensive spells /
新たな防御魔法が
with power like none before /
かつてないほど強力なものが
were developed in response. /
対応策として開発された。
The magic resistance /
魔法耐性も
offered by equipment /
装備によって与えられるものが
has improved significantly as well. /
大幅に向上した。
These advances /
これらの進歩によって
have made Zoltraak /
ゾルトラークは
a death sentence no longer. /
もはや「死の魔法」ではなくなったのだ。
セリフ9:訓練の成果 ― フェルンの即応

防御の方の弱点に気づかれた。フェルン、対処できるよね?はい、練習でもう見ましたから。
He figured out the weakness of defensive magic.Fern… you know what to do, don’t you?Yes.I remember from our practices.
🔤 語彙解説
figure out /ˈfɪɡ.ər aʊt/(句動詞):理解する、見抜く
→ 問題や仕組みを考え抜いて解明することを指します。
weakness /ˈwiːk.nəs/(名詞):弱点、弱さ
→ システムや戦法などの脆い部分を意味します。
you know what to do /juː nəʊ wɒt tuː duː/(表現):どうすればいいかわかってるよね
→ 信頼と確認を込めた言い回しで、行動を促す際によく使われます。
remember /rɪˈmem.bər/(動詞):思い出す、覚えている
→ 過去の経験や知識を現在に活かす際の基本動詞です。
practice /ˈpræk.tɪs/(名詞):練習、訓練
→ 習得のための反復行動。ここでは訓練シーンを指しています。
🧩 文法・構文解説
【1】“He figured out ~” は過去形で、「〜を見破った・理解した」という意味。
【2】“You know what to do, don’t you?” は疑問形ではなく確認の付加疑問。信頼を込めた呼びかけ。
【3】“I remember from our practices.” は前置詞 from を使って「訓練から学んだことを覚えている」と表現。
📘 スラッシュリーディング訳
He figured out /
彼は見破った
the weakness of defensive magic. /
防御魔法の弱点を。
Fern… /
フェルン…
you know what to do, /
どうすればいいかわかってるね、
don’t you? /
でしょ?
Yes. /
はい。
I remember /
私は覚えています
from our practices. /
訓練のときに見たことを。
セリフ10:信じるということ ― ヒンメルの残したもの

この村の人たちは、ヒンメルを信じていたんだ。よくわかりませんが……。ヒンメル様は、フリーレン様を信じていたのだと思いますよ。どうしたのですか?別に。
His prophecy came to pass.Himmel is who they believed in.I don’t understand exactly.But it seems to me that the person Himmel believed in all this time was you.What is it, Mistress?Nothing.
🔤 語彙解説
prophecy /ˈprɒf.ə.si/(名詞):予言
→ 未来に起こることを予知・予言すること。宗教・物語でよく使われる語。
come to pass /kʌm tuː pɑːs/(表現):実現する、起こる
→ 「予言などが成就する」という文語的な言い回し。
believe in /bɪˈliːv ɪn/(表現):信じる、信頼する
→ 人の能力や存在、善意を信じるときに使います。
seems to me /siːmz tuː miː/(表現):私には〜のように思える
→ 個人の直感・感情に基づくやさしい言い方。
all this time /ɔːl ðɪs taɪm/(表現):ずっと、これまでずっと
→ 過去の長い時間の継続を表します。
nothing /ˈnʌθ.ɪŋ/(名詞):何でもない
→ 心を隠す・取り繕う返事として非常によく使われます。
🧩 文法・構文解説
【1】“Himmel is who they believed in.” は関係詞を使った強調構文で「彼らが信じたのはヒンメルだ」という意味。
【2】“the person Himmel believed in all this time was you.” は「〜だったのはあなたなんだ」という語順で、感情を強調する表現。
【3】“What is it?” → “Nothing.” のやり取りは、気持ちを隠すときの定番表現。文脈によって多くを語らずに感情を示します。
📘 スラッシュリーディング訳
His prophecy /
彼の予言は
came to pass. /
実現したんですね。
Himmel /
ヒンメルは
is who they believed in. /
この村の人たちが信じていた人です。
I don’t understand exactly. /
正確なことはよくわかりませんが……。
But it seems to me /
でも私にはそう思えるんです
that the person Himmel believed in /
ヒンメル様がずっと信じていた人は
all this time /
これまでずっと
was you. /
あなた、フリーレン様だったのだと。
What is it, Mistress? /
どうしたのですか?
Nothing. /
別に。
✨ Summary(スラッシュリーディング形式)
Frieren and Fern /
フリーレンとフェルンは /
continue their journey /
旅を続ける。
not just to collect magic, /
ただ魔法を集めるためではなく
but to follow the path /
歩んだ道をたどるため
left behind by Himmel and his companions. /
ヒンメルたちが残した足跡を。
As they pass through towns and villages, /
町や村を通る中で、
memories of the past resurface. /
過去の記憶がよみがえる。
Fern begins to understand Frieren’s heart, /
フェルンはフリーレンの心を
and Frieren, too, /
そしてフリーレンもまた
starts to recognize the feelings of others. /
他者の気持ちを少しずつ理解し始める。
The two face magical threats, /
ふたりは魔法の脅威に直面し、
but training and trust /
訓練と信頼を通じて
help them overcome danger. /
それらを乗り越えていく。
They are not just walking forward, /
彼女たちはただ前へ進んでいるのではない。
They are learning to connect with people /
人と心を通わせ、
and carry the memories /
そして記憶を受け継いでいく
that would otherwise fade away. /
消えてしまうはずだった記憶を。
🧠 Key Words & Phrases(重要語句)
pierce /pɪəs/(動詞):貫通する
→ 防御や障壁を突き抜ける攻撃や力を表す語です。
retrace /rɪˈtreɪs/(動詞):たどる、再び通る
→ かつての旅や記憶をもう一度辿る意味で使われます。
dense /dens/(形容詞):鈍い、空気が読めない
→ 人の感情に疎く、気づかない様子を表す表現です。
get to know /ɡet tə nəʊ/(表現):知るようになる
→ 時間をかけて理解したり、親しくなったりする過程を表す語。
offensive /əˈfen.sɪv/(形容詞):攻撃の、攻撃的な
→ 攻撃用の魔法や行動を指します。対義語は defensive。
death sentence /ˈdeθ ˌsen.təns/(名詞):死刑、死を意味するもの
→ ここでは比喩的に「確実に命を奪うもの」という意味で使われています。