【葬送のフリーレン 1期 2話】英語セリフで学ぶ:「師弟の絆」が生まれる瞬間の本当の意味とは?

セリフで学ぶ英語
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※本記事で使用している画像はすべて、アニメ『葬送のフリーレン』(第2話)より引用しています。セリフの英語学習および解説を目的としており、著作権はすべて©アベツカサ・山田鐘人/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会に帰属します。
  1. あらすじ:英語で読む託された想いと師弟の始まり
    1. 💡 語彙解説
  2. セリフ1:魔法の基本を学ぶ ― フリーレンの冷静な指導
      1. さっきは途中で魔法が離散してしまったね。魔力の量と、打ち出す力が足りないことを示している。それは一朝一夕でどうにかなることじゃない。
      2. Earlier, your magic dissipated before it reached its target.That tells me your levels of mana and your firing strength are both lacking.These are not issues that one can fix overnight.
  3. セリフ2:焦りの中の決意 ― フェルンの強い想い
      1. それはいずれ必ずできることだ。今は。いずれではダメなのです。いずれでは、ハイター様が死んでしまう。
      2. I have no doubt you’ll achieve it eventually. Right now.It cannot be “eventually.” Huh?When “eventually” comes… Master Heiter will have passed away.
  4. セリフ3:記憶は生きている ― ハイターの静かな願い
      1. 私がこのまま死んだら、彼から学んだ勇気や意思や友情や、大切な思い出までこの世からなくなってしまうのではないかと。あなたの中にも大切な思い出があるとすれば、死ぬのはもったいないと思います。
      2. If I sat and died in silence,all I learned about friendship, strength of will, and courage…All the precious memories we had made, they would vanish like they had never been.If there is even one precious memory tucked within the walls of your mind,then I think it would be a waste for you to die.
  5. セリフ4:恩返しのかたち ― フェルンの自立と感謝
      1. 魔法使いでもなんでもいい。今は一人で生きていく術を身につけることが私の恩返しなのです。救ってよかったと、もう大丈夫だと、そう思ってほしいのです。
      2. I don’t care if it’s as a mage or whatever else.Learning some kind of skill to support myself is my way of repaying him.He’s the reason I’m here, and I need him to know I’ll be all right when he’s gone.
  6. セリフ5:間に合った強さ ― フェルンの成長を見届けて
      1. フェルンはどうなりましたか?まだ荒いところはあるけど、一人前といっても遜色のないレベルだよ。そうですか、間に合いましたか。もう足手まといではありませんね、フリーレン。
      2. How’s Fern? Is she growing strong?She has room to improve in some areas.But it wouldn’t be incorrect to call her a proper mage.Excellent. So, she made it in time.It’ll be hard for you to say she’ll get in your way, now won’t it?
  7. セリフ6:魔法への想い ― 似ているようで違う二人
      1. フリーレン様は、本当に魔法がお好きなのですね。ほどほどだよ。フェルンと同じで。少し違うような気がします。同じだよ。
      2. It sounds to me like you really do love magic, Mistress Frieren.Only somewhat.The same as you.I, uh, feel we’re a bit different.We’re the same.
  8. セリフ7:風化する英雄 ― 忘れられたヒンメル像
      1. 勇者ヒンメル様の像ですか?ひどい有様でしょ。年寄り一人では、もうどうしようもなくてね。村の人たちはもう関心がないのよ。
      2. A statue of Himmel the Hero.The poor boy is in terrible shape.I would clean him myself, but it’s too much for one old lady.And I can’t convince the other villagers to care.
  9. セリフ8:探求か、執着か ― フリーレンへの苦言
      1. フリーレン様の魔法に対する執着は異常です。このままでは何年でも何十年でも探し続けてしまう。フリーレン様は多くの人を救える力を持った魔法使いです。ありもしないもののために時間を使うだなんて、あってはならないことです。
      2. She’s so quick to fixate on anything relating to magic.By the looks of it, she’s going to continue this hunt for years, if not decades.Given her strength as a mage, she has the power to save whole cities of people.She shouldn’t spend her time looking for something so tiny.Something that may not exist.
  10. セリフ9:いつか君に ― 軽口と本音のあいだで
      1. 僕の故郷の花でね。とても美しいんだ、まあ僕ほどではないんだけどね。そろそろ行こうか。フリーレン、いつか君に見せてあげたい。そう、機会があればね。
      2. A flower grown in my homeland.They’re truly beautiful. To be fair, they grow pretty heroes, too.Shall we get going, then?Frieren. I’d like to show you them someday.Sure. If the chance arises.
  11. セリフ10:選んだのは魔法 ― フェルンの本心
      1. フェルンだって魔法使いになることを諦めなかった。それは違います。私は一人で生きていける力さえ手に入れば、何でもよかったのです。別に魔法でなくたって。でも、魔法を選んだ。
      2. Becoming a mage was a challenge, but you never once wanted to give up.That’s very different.I could have learned any other skill that allowed me to support myself and been just as content.It didn’t have to be magic.No. But it’s what you chose.
  12. まとめ:別れを超えて――新たな旅立ちの理由
    1. 🧠 Key Words & Phrases(重要語句)

あらすじ:英語で読む託された想いと師弟の始まり

Frieren visits Heiter, /
フリーレンはハイターを訪ねる。
a former companion from the hero party, /
かつての勇者パーティーの仲間で、
who now lives quietly in the countryside /
今は田舎で静かに暮らしている
with a young girl named Fern. /
フェルンという少女とともに。

Fern is an orphan /
フェルンは孤児であり、
who was taken in and raised by Heiter /
ハイターに引き取られ育てられた
after losing her parents. /
両親を失ったあとに。

Heiter asks Frieren /
ハイターはフリーレンに頼む。
to take Fern as her apprentice, /
フェルンを弟子にしてくれと。
believing the girl has magical potential /
彼女には魔法の才能があり、
and needs a mentor to guide her. /
導いてくれる師が必要だと信じて。

Frieren is hesitant at first, /
フリーレンは最初、ためらうが、
but after spending time with Fern /
フェルンと時間を過ごすうちに、
and seeing Heiter’s declining health, /
ハイターの体調の悪化を目の当たりにして、
she changes her mind. /
考えを改める。

After Heiter peacefully passes away, /
ハイターが穏やかに亡くなったあと、
Frieren and Fern hold a funeral /
フリーレンとフェルンは葬儀を行い、
and say goodbye to their old friend. /
古き友に別れを告げる。

Together, they set off /
ふたりは一緒に旅に出る。
on a new journey /
新たな旅へ。
not just to explore the world, /
それはただ世界を巡るだけでなく、
but to learn what it means /
「人を知る」とは何かを学ぶための、
to truly connect with others. /
本当のつながりを見つける旅でもある。

💡 語彙解説

orphan /ˈɔːr.fən/(名詞):孤児
→ 両親を亡くした子どもを指します。物語やファンタジーでよく登場する単語です。
apprentice /əˈpren.tɪs/(名詞):弟子、見習い
→ 技術や知識を学ぶために師につく人を指します。伝統職人や魔法使いなどに多く登場します。
seclusion /sɪˈkluː.ʒən/(名詞):隠遁、隔離された生活
→ 人里離れて静かに暮らす様子を表します。修道士や引退者などにも使われます。
mentor /ˈmen.tɔːr/(名詞):指導者、助言者
→ 経験をもとに後進を導く人のこと。教育、ビジネス、フィクションでも広く使われます。
hesitant /ˈhez.ɪ.tənt/(形容詞):ためらっている、躊躇している
→ 決断や行動に自信が持てず、迷っている状態を指します。
decline /dɪˈklaɪn/(動詞):衰える、下り坂になる
→ 体力・景気・機能などが徐々に弱っていくことを表します。

セリフ1:魔法の基本を学ぶ ― フリーレンの冷静な指導

さっきは途中で魔法が離散してしまったね。魔力の量と、打ち出す力が足りないことを示している。それは一朝一夕でどうにかなることじゃない。

Earlier, your magic dissipated before it reached its target.That tells me your levels of mana and your firing strength are both lacking.These are not issues that one can fix overnight.

🔤 語彙解説
dissipate /ˈdɪs.ɪ.peɪt/(動詞):消える、分散する
→ エネルギーや魔法などが消えて広がってしまう様子を表します。
mana /ˈmɑː.nə/(名詞):魔力、精神的エネルギー
→ ファンタジー作品でよく使われる「魔法の源」のことです。
firing /ˈfaɪə.rɪŋ/(名詞):発射、打ち出すこと
→ 銃や魔法などを「打ち出す」行為に使われます。
lacking /ˈlæk.ɪŋ/(形容詞):不足している
→ 必要なものが足りていない状態を意味します。
overnight /ˌəʊ.vəˈnaɪt/(副詞):一晩で、急に
→ 短時間ですぐに、という意味の副詞です。
issue /ˈɪʃ.uː/(名詞):問題、課題
→ 解決が必要なこと、トラブルや課題全般を指します。

🧩 文法・構文解説
【1】“That tells me ~” は、「それは私に〜を教えてくれる」という構文です。
【2】“are both lacking” は、「両方が不足している」という表現です。
【3】“overnight” は、比喩的に「すぐに・一晩で」という意味でも使われます。

📘 スラッシュリーディング訳

Earlier, /
さっきは、
your magic dissipated /
あなたの魔法が消えてしまった
before it reached its target. /
それが目標に届く前に。

That tells me /
それは私に教えてくれる
your levels of mana /
あなたの魔力量と
and your firing strength /
打ち出す力が
are both lacking. /
どちらも足りていないということを。

These are not issues /
これらは問題ではない
that one can fix overnight. /
一夜で解決できるような。

セリフ2:焦りの中の決意 ― フェルンの強い想い

それはいずれ必ずできることだ。今は。いずれではダメなのです。いずれでは、ハイター様が死んでしまう。

I have no doubt you’ll achieve it eventually. Right now.It cannot be “eventually.” Huh?When “eventually” comes… Master Heiter will have passed away.


🔤 語彙解説
achieve /əˈtʃiːv/(動詞):達成する
→ 努力や時間をかけて何かを成し遂げるときに使います。
eventually /ɪˈven.tʃu.ə.li/(副詞):いずれ、最終的に
→ 時間がかかったあとで、最終的に起こることを表します。
doubt /daʊt/(名詞):疑い、不安
→ 「I have no doubt」は「まったく疑っていない」という強い確信の表現です。
pass away /pæs əˈweɪ/(表現):亡くなる
→ 「die」の丁寧でやさしい言い換えです。
cannot /ˈkæn.ɒt/(助動詞):〜してはいけない、〜できない
→ 禁止・不可能・否定の強調を表します。
master /ˈmɑː.stər/(名詞):師匠、先生
→ 魔法や武道などで、指導者を敬って呼ぶ表現です。


🧩 文法・構文解説
【1】“I have no doubt (that) ~” は、「〜をまったく疑っていない」という確信の構文です。
【2】“It cannot be ‘eventually.’” は、強調の語順で「“いずれ”ではダメ」という感情を表します。
【3】“will have passed away” は、未来完了形で「そのときにはすでに亡くなっている」を意味します。


📘 スラッシュリーディング訳

I have no doubt /
私はまったく疑っていない
you’ll achieve it eventually. /
あなたがそれをいずれ達成することを。
Right now. /
今はまだ、だけど。

It cannot be “eventually.” /
「いずれ」ではダメなのです。
Huh? /
えっ?

When “eventually” comes… /
「いずれ」が来たときには…
Master Heiter will have passed away. /
ハイター様はもう亡くなっているのです。

セリフ3:記憶は生きている ― ハイターの静かな願い

私がこのまま死んだら、彼から学んだ勇気や意思や友情や、大切な思い出までこの世からなくなってしまうのではないかと。あなたの中にも大切な思い出があるとすれば、死ぬのはもったいないと思います。

If I sat and died in silence,all I learned about friendship, strength of will, and courage…All the precious memories we had made, they would vanish like they had never been.If there is even one precious memory tucked within the walls of your mind,then I think it would be a waste for you to die.


🔤 語彙解説
in silence /ɪn ˈsaɪ.ləns/(表現):静かに、沈黙のうちに
→ 音や言葉がなく、誰にも気づかれずにという意味で使われます。
strength of will /streŋkθ əv wɪl/(表現):意思の強さ
→ 意志力、心の強さを表す言い回しで、特に試練に耐える力として使われます。
vanish /ˈvæn.ɪʃ/(動詞):消える、見えなくなる
→ 跡形もなく消えてしまうことを強調する語です。
tuck /tʌk/(動詞):しまい込む、押し込む
→ 何かを優しく中にしまいこむようなイメージの動詞です。
precious /ˈpreʃ.əs/(形容詞):大切な、かけがえのない
→ 感情的・価値的にとても重要なものを指します。
waste /weɪst/(名詞):無駄、浪費
→ 本来の価値が発揮されないまま失われることを意味します。


🧩 文法・構文解説
【1】“If I sat and died in silence” は仮定法で、「もし私が静かに死んだとしたら」を意味します。
【2】“they would vanish like they had never been” は仮定法過去完了+比喩の構文で、「まるで最初から存在しなかったかのように消える」です。
【3】“tucked within the walls of your mind” は「心の奥深くに大切にしまわれている」という比喩的表現です。


📘 スラッシュリーディング訳

If I sat and died in silence, /
もし私が静かに座って死んだなら、
all I learned about friendship, /
友情について学んだすべて、
strength of will, and courage… /
意思の強さや勇気…

All the precious memories we had made, /
私たちが作ってきた大切な思い出はすべて、
they would vanish /
消えてしまうでしょう
like they had never been. /
まるで最初から存在しなかったかのように。

If there is even one precious memory /
たとえたったひとつでも大切な記憶があるなら、
tucked within the walls of your mind, /
あなたの心の奥にしまわれているなら、
then I think it would be a waste /
それなら私は、もったいないと思います
for you to die. /
あなたが死んでしまうなんて。

セリフ4:恩返しのかたち ― フェルンの自立と感謝

魔法使いでもなんでもいい。今は一人で生きていく術を身につけることが私の恩返しなのです。救ってよかったと、もう大丈夫だと、そう思ってほしいのです。

I don’t care if it’s as a mage or whatever else.Learning some kind of skill to support myself is my way of repaying him.He’s the reason I’m here, and I need him to know I’ll be all right when he’s gone.


🔤 語彙解説
mage /meɪdʒ/(名詞):魔法使い
→ ファンタジー作品で使われる「魔法を使う者」の正式な呼び名です。
support /səˈpɔːt/(動詞):支える、養う
→ 経済的・精神的に自分自身や他人を支えることを意味します。
repay /rɪˈpeɪ/(動詞):恩返しをする、報いる
→ 親切や助けに対して感謝の気持ちを形で返すことです。
whatever /wɒtˈev.ər/(代名詞/形容詞):何であれ
→ 「どんな形であっても」「何でもいい」と許容する表現です。
all right /ˌɔːl ˈraɪt/(形容詞):大丈夫である
→ 安心させたいときによく使う「私は大丈夫」という表現です。
gone /ɡɒn/(形容詞):いなくなった、亡くなった
→ 人がこの世を去った状態を表すやさしい表現です。


🧩 文法・構文解説
【1】“I don’t care if ~” は、「~でも構わない」という気持ちの表現です。
【2】“my way of repaying him” は、「私なりの恩返しの方法」という所有格+動名詞の構文です。
【3】“I’ll be all right when he’s gone” は未来+完了的なニュアンスで、「彼がいなくなったときにも私は大丈夫だ」と伝えています。


📘 スラッシュリーディング訳

I don’t care /
私は気にしない
if it’s as a mage /
それが魔法使いであろうと
or whatever else. /
他の何であろうと。

Learning some kind of skill /
何かしらのスキルを学ぶことが
to support myself /
自分自身で生きていくための
is my way of repaying him. /
彼への恩返しなのです。

He’s the reason I’m here, /
彼が、私がここにいる理由です
and I need him to know /
そして私は、彼に知っていてほしい
I’ll be all right /
私は大丈夫だと
when he’s gone. /
彼がいなくなったそのときにも。

セリフ5:間に合った強さ ― フェルンの成長を見届けて

フェルンはどうなりましたか?まだ荒いところはあるけど、一人前といっても遜色のないレベルだよ。そうですか、間に合いましたか。もう足手まといではありませんね、フリーレン。

How’s Fern? Is she growing strong?She has room to improve in some areas.But it wouldn’t be incorrect to call her a proper mage.Excellent. So, she made it in time.It’ll be hard for you to say she’ll get in your way, now won’t it?


🔤 語彙解説
grow strong /ɡrəʊ strɒŋ/(表現):強くなる、成長する
→ 心身や能力が成長していることを表します。
room to improve /ruːm tuː ɪmˈpruːv/(表現):改善の余地
→ まだ伸びしろがあることをやさしく言う表現です。
proper /ˈprɒp.ər/(形容詞):きちんとした、正式な
→ 資格や実力を十分に備えたことを表します。
in time /ɪn taɪm/(表現):間に合って
→ 締切や危機の前に間に合うという意味で使います。
get in one’s way /ɡet ɪn wʌnz weɪ/(表現):邪魔をする、足を引っ張る
→ 誰かの行動や成長の妨げになることを指します。
won’t it? /wəʊnt ɪt/(表現):〜だろう?(付加疑問)
→ 同意を求める表現で、皮肉や確認のニュアンスを含むこともあります。


🧩 文法・構文解説
【1】“room to improve” は、「改善・成長の余地がある」という柔らかい言い回しです。
【2】“it wouldn’t be incorrect to call her…” は、控えめに何かを肯定する婉曲表現です。
【3】“won’t it?” は付加疑問文で、「今となってはそうは言えないでしょ?」と同意や皮肉を込めた使い方です。


📘 スラッシュリーディング訳

How’s Fern? /
フェルンはどうなりましたか?
Is she growing strong? /
彼女は強くなってきていますか?

She has room to improve /
改善の余地はあるけれど
in some areas. /
いくつかの点では。

But it wouldn’t be incorrect /
でも間違いではないと思うよ
to call her a proper mage. /
彼女を一人前の魔法使いと呼んでも。

Excellent. /
それはよかった。
So, she made it in time. /
間に合ったのですね。

It’ll be hard for you to say /
あなたも言いにくいでしょう
she’ll get in your way, /
彼女が足手まといになるなんて
now won’t it? /
今となっては、ね?

セリフ6:魔法への想い ― 似ているようで違う二人

フリーレン様は、本当に魔法がお好きなのですね。ほどほどだよ。フェルンと同じで。少し違うような気がします。同じだよ。

It sounds to me like you really do love magic, Mistress Frieren.Only somewhat.The same as you.I, uh, feel we’re a bit different.We’re the same.


🔤 語彙解説
sound /saʊnd/(動詞):〜のように聞こえる
→ 相手の話や様子を見て、印象や推測を述べるときに使います。
somewhat /ˈsʌm.wɒt/(副詞):少し、いくらか
→ あいまいな程度を表す語で、控えめな言い方になります。
the same as /ðə seɪm æz/(表現):〜と同じ
→ 他者との共通点を述べる基本表現です。
uh /ʌ/(間投詞):えーと
→ ためらいや言い直しのときによく使われる口語表現です。
a bit /ə bɪt/(副詞句):少し
→ 「somewhat」よりもカジュアルで、軽い印象を与えます。
different /ˈdɪf.ər.ənt/(形容詞):違う、異なる
→ 対比や個性を示すときに使われます。


🧩 文法・構文解説
【1】“It sounds to me like ~” は、「〜のように聞こえる」「〜に思える」という推測表現です。
【2】“Only somewhat.” は省略された文で、「(好きなのは)まあ少しだけ」という控えめな表現です。
【3】“We’re the same.” は強調的に「私たちは同じだ」と断言する形で、距離を縮める表現としても使われます。


📘 スラッシュリーディング訳

It sounds to me /
私にはそう聞こえます
like you really do love magic, /
あなたが本当に魔法を愛しているように
Mistress Frieren. /
フリーレン様。

Only somewhat. /
まあ、少しだけね。

The same as you. /
フェルンと同じだよ。

I, uh, feel /
私は、えーと、思います
we’re a bit different. /
私たちはちょっと違うような気がします。

We’re the same. /
同じだよ。

セリフ7:風化する英雄 ― 忘れられたヒンメル像

勇者ヒンメル様の像ですか?ひどい有様でしょ。年寄り一人では、もうどうしようもなくてね。村の人たちはもう関心がないのよ。

A statue of Himmel the Hero.The poor boy is in terrible shape.I would clean him myself, but it’s too much for one old lady.And I can’t convince the other villagers to care.


🔤 語彙解説
statue /ˈstætʃ.uː/(名詞):像、彫像
→ 石や金属などで作られた人物の姿を模した立体物を指します。
terrible shape /ˈter.ə.bəl ʃeɪp/(表現):ひどい状態
→ 外見や状況が荒れていたり、損なわれている様子を意味します。
clean /kliːn/(動詞):掃除する、きれいにする
→ 汚れを取り除く行動。ここでは像を拭いて整える意味です。
too much /tuː mʌtʃ/(形容詞句):手に負えない、多すぎる
→ 自分ひとりの能力や時間では対応できないことを表します。
convince /kənˈvɪns/(動詞):納得させる、説得する
→ 相手の心を動かし、行動や考えを変えさせることです。
care /keər/(動詞):気にかける、関心を持つ
→ 感情的に大切に思ったり、気を配ることを意味します。


🧩 文法・構文解説
【1】“in terrible shape” は、「ひどい状態にある」という慣用表現で、物の見た目や体調などに使えます。
【2】“it’s too much for one old lady” は、「一人の年寄りには大変すぎる」という構文。too ~ for … の形です。
【3】“convince A to B” は、「Aを説得してBさせる」という構文で、人の行動を変えるときに使います。


📘 スラッシュリーディング訳

A statue of Himmel the Hero. /
勇者ヒンメル様の像ですか?

The poor boy /
かわいそうな彼は
is in terrible shape. /
ひどい状態なんですよ。

I would clean him myself, /
私が自分で掃除してあげたいけど
but it’s too much for one old lady. /
おばあさん一人には大変すぎてね。

And I can’t convince /
それに私は説得できないのよ
the other villagers to care. /
村の人たちに関心を持たせることを。

セリフ8:探求か、執着か ― フリーレンへの苦言

フリーレン様の魔法に対する執着は異常です。このままでは何年でも何十年でも探し続けてしまう。フリーレン様は多くの人を救える力を持った魔法使いです。ありもしないもののために時間を使うだなんて、あってはならないことです。

She’s so quick to fixate on anything relating to magic.By the looks of it, she’s going to continue this hunt for years, if not decades.Given her strength as a mage, she has the power to save whole cities of people.She shouldn’t spend her time looking for something so tiny.Something that may not exist.


🔤 語彙解説
fixate /ˈfɪk.seɪt/(動詞):執着する、固執する
→ 何かに強くとらわれ、気持ちを離せない状態を表します。
by the looks of it /baɪ ðə lʊks əv ɪt/(表現):見たところでは
→ 見た印象や状況から判断してという意味の口語表現です。
hunt /hʌnt/(名詞):探求、捜索
→ 何かを必死に探し求める行為を表します。
given /ˈɡɪv.ən/(前置詞):〜を考慮すれば、〜を前提にすると
→ 条件や背景を提示する論理的なつなぎ語です。
spend time doing /spɛnd taɪm ˈduː.ɪŋ/(表現):〜することに時間を使う
→ 行動に時間を費やすことを表す基本構文です。
tiny /ˈtaɪ.ni/(形容詞):とても小さい、些細な
→ 取るに足らないようなごく小さなものを表します。


🧩 文法・構文解説
【1】“quick to fixate on ~” は、「すぐに〜に執着する」という性格的特徴の表現です。
【2】“if not decades” は「何十年とは言わないまでも…」という補足の構文で、年数の長さを強調しています。
【3】“something that may not exist” は「存在しないかもしれないもの」という名詞+関係代名詞+助動詞の組み合わせで、否定的な仮定を含んでいます。


📘 スラッシュリーディング訳

She’s so quick /
彼女はとてもすぐに
to fixate on anything /
何かに執着してしまう
relating to magic. /
魔法に関係することなら何でも。

By the looks of it, /
見たところでは
she’s going to continue this hunt /
彼女はこの探求を続けるでしょう
for years, if not decades. /
何年も、いや何十年にもわたって。

Given her strength as a mage, /
彼女の魔法使いとしての強さを考えると、
she has the power /
彼女には力がある
to save whole cities of people. /
まるごと都市を救うほどの。

She shouldn’t spend her time /
彼女は時間を費やすべきではない
looking for something so tiny. /
そんなに些細なものを探すために。

Something that may not exist. /
それは、存在しないかもしれないのに。

セリフ9:いつか君に ― 軽口と本音のあいだで

僕の故郷の花でね。とても美しいんだ、まあ僕ほどではないんだけどね。そろそろ行こうか。フリーレン、いつか君に見せてあげたい。そう、機会があればね。

A flower grown in my homeland.They’re truly beautiful. To be fair, they grow pretty heroes, too.Shall we get going, then?Frieren. I’d like to show you them someday.Sure. If the chance arises.


🔤 語彙解説
homeland /ˈhəʊm.lænd/(名詞):故郷、母国
→ 自分が生まれ育った場所や心の拠り所となる土地を指します。
to be fair /tə bi ˈfeər/(表現):公平に言えば、まあ確かに
→ 軽い皮肉や冗談を和らげるときに使われる口語表現です。
get going /ɡet ˈɡəʊ.ɪŋ/(表現):出発する、行動を始める
→ 「そろそろ行こう」というカジュアルな誘いの表現です。
show /ʃəʊ/(動詞):見せる、案内する
→ 何かを相手に見せたい・共有したいという意図を含む基本動詞です。
someday /ˈsʌm.deɪ/(副詞):いつか、将来のいつか
→ 明確な時期は未定だが、将来のある時点を指す語です。
arise /əˈraɪz/(動詞):(機会・問題などが)生じる、起こる
→ 自然に発生するような機会や状況を表すフォーマルな語です。


🧩 文法・構文解説
【1】“To be fair, ~” は軽い冗談や皮肉の後で、「まあ正直言えば」とトーンを和らげる表現です。
【2】“I’d like to show you them someday.” は、未来の願望や優しい申し出を表す “would like to” 構文です。
【3】“If the chance arises.” は「もし機会があれば」という控えめな表現で、現実的ながら希望をにじませます。


📘 スラッシュリーディング訳

A flower grown /
育てられた花だよ
in my homeland. /
僕の故郷で。

They’re truly beautiful. /
本当に美しいんだ。
To be fair, /
まあ正直に言えば、
they grow pretty heroes, too. /
かっこいい英雄も育つけどね。

Shall we get going, then? /
じゃあ、そろそろ行こうか。

Frieren. /
フリーレン。
I’d like to show you them someday. /
いつか君にその花を見せたいな。

Sure. /
そうね。
If the chance arises. /
機会があれば、だけど。

セリフ10:選んだのは魔法 ― フェルンの本心

フェルンだって魔法使いになることを諦めなかった。それは違います。私は一人で生きていける力さえ手に入れば、何でもよかったのです。別に魔法でなくたって。でも、魔法を選んだ。

Becoming a mage was a challenge, but you never once wanted to give up.That’s very different.I could have learned any other skill that allowed me to support myself and been just as content.It didn’t have to be magic.No. But it’s what you chose.


🔤 語彙解説
challenge /ˈtʃæl.ɪndʒ/(名詞):困難、挑戦
→ 乗り越えるのが難しい課題や努力が必要なことを表します。
give up /ɡɪv ʌp/(表現):あきらめる
→ 途中で放棄する、目標や夢を手放すという意味の句動詞です。
support /səˈpɔːt/(動詞):支える、生活を維持する
→ 精神的・経済的に自立することを含みます。
content /kənˈtent/(形容詞):満足している
→ 状況に不満がなく、穏やかに満ち足りている様子を表します。
have to /ˈhæv tuː/(助動詞):〜でなければならない
→ 義務や必然性を表すが、「〜である必要はなかった」という否定文でも使われます。
chose /tʃəʊz/(動詞):選んだ(chooseの過去形)
→ 複数の選択肢から1つを自ら決めたことを意味します。


🧩 文法・構文解説
【1】“you never once wanted to give up” は「一度もあきらめようと思わなかった」という強調構文です。
【2】“I could have learned…” は仮定法過去完了で「〜することもできた」という過去の可能性を示す文です。
【3】“It’s what you chose.” は強調構文で「それは君が“自分で”選んだことだ」と選択の主体を際立たせます。


📘 スラッシュリーディング訳

Becoming a mage /
魔法使いになることは
was a challenge, /
大きな挑戦だったけど
but you never once wanted to give up. /
君は一度も諦めようとは思わなかった。

That’s very different. /
それは違います。

I could have learned /
私は学ぶこともできました
any other skill /
ほかのどんなスキルでも
that allowed me to support myself /
自立できるようなものなら
and been just as content. /
そして同じように満足できたはずです。

It didn’t have to be magic. /
別に魔法である必要はなかった。

No. /
そうだね。
But it’s what you chose. /
でも、それを選んだのは君自身だ。

まとめ:別れを超えて――新たな旅立ちの理由

Fern trains hard under Frieren’s guidance, /
フェルンはフリーレンの指導のもとで /
growing stronger as both a mage and a person. /
魔法使いとしても人としても成長していく。

Heiter, /
ハイターは /
aware of his limited time, /
自分に残された時間が少ないことを知っていた。
asks Frieren to raise Fern, /
フェルンを育ててほしいとフリーレンに頼む。
believing she needs someone to guide her. /
彼女には導いてくれる存在が必要だと信じて。

Despite her initial hesitation, /
最初はためらっていたが、
Frieren agrees and accepts Fern as her apprentice. /
フリーレンはフェルンを弟子として受け入れる。

As Heiter quietly passes away, /
ハイターは静かに息を引き取り、
Fern proves she has grown strong in time. /
フェルンは十分に成長できたことを証明する。

Their journey continues, /
彼女たちの旅は続く。
not only to master magic, /
それは魔法を極めるためだけでなく、
but to understand life, /
人生を知り、
memory, and what it means to choose. /
記憶や「選ぶ」ということの意味を知るためでもある。


🧠 Key Words & Phrases(重要語句)

guidance /ˈɡaɪ.dəns/(名詞):指導、導き
→ 経験ある人が未熟な人を導くこと。教育・相談の場面でも使われる。
apprentice /əˈpren.tɪs/(名詞):弟子、見習い
→ 師匠について知識や技術を学ぶ立場の人。魔法の世界でも頻出。
hesitant /ˈhez.ɪ.tənt/(形容詞):ためらっている、迷っている
→ 決断ができずにいる状態をやさしく表す形容詞。
fixate /ˈfɪk.seɪt/(動詞):執着する
→ 特定のものに気を取られ、他が見えなくなる状態を表す。
support myself /səˈpɔːt maɪˈself/(表現):自活する、自立する
→ 自分自身で生活費や日常を支えること。
content /kənˈtent/(形容詞):満足している、納得している
→ 必要以上を求めず、今に満ち足りている穏やかな状態。
vanish /ˈvæn.ɪʃ/(動詞):消える、消滅する
→ 跡形もなく見えなくなること。思い出などにも使える比喩表現。

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